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澄んだ先に大都市(エッセイ)
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この日は晴れていたものの風が強く、髪が乱れる事この上ない日だった。
けれど、真夏の時と違って風さえ我慢すればサクサクと歩みを進められるから、まぁまぁだ。
………と言いつつ、寒いものは寒い。
2階建ての展望台へと向かい、望遠鏡のある場所へと立つ。
この展望台のある公園の隣には牧場があり、今回は羊さんが5匹、綺麗に列をなしながら進み放牧されていた。
かわいいな〜と、展望台のある2階からスマホで写真をパシャリ。
そしてスマホから顔を上げ見つめた先には、夏にはモヤがかかっていてイマイチ良く見えていなかった景色が、冬の澄んだ空気の中で、夏より鮮明に見えた。
「うわ〜〜!」
晴れた青空が、あざやかに町を囲んでいる。
青と言っても1色ではない空の色だ。
展望台にある望遠鏡には目を通さず、まずは裸眼で見た景色を焼き付ける。
望遠鏡で望むのはその後だ。
静かに望遠鏡へと顔を向ける。
望遠鏡の先には、夏では見えなかった景色が広がっていた。
遠いからか望遠鏡ではボンヤリしていたものの、それはハッキリと見えた。
大都市、東京のシンボル
『スカイツリー』だ。
「あ、あれ?スカイツリー?」
ほんとに?なんて思ったが、どうやら間違いではなかった。
「あははっ!凄っ!」
透き通る空気と青空が見せてくれた遠い場所の建物と景色。
これは、冬という季節が見せてくれた綺麗な心躍る景色だ。
高い場所から遠い場所を眺める。
夏と同じ場所だが、見えた景色も気持ちも違う。
それに心が踊る。
それは、小さな幸せなだったと思う。