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言う事聞いてくれた(エッセイ)

何処となく雨が降ったり止んだりしていた日。まだ梅雨入り前の事だったと言うのに、カエルの様な鳴き声が家の外から部屋の中へと響く。

グァ、グァ、グァ、グァ、

少し高めの鳴き声。

止むことはなく繰り返されている声

グァ、グァ、グァ。

……少し、騒がしい(笑)

何をしていた訳ではないけれど、全く気にならないかと言われれば違う。

それをBGMとその時思えなかった私は、少しお遊び。

「カエル、うるさいよっ」

……何て、人間の声が届く訳はないのだが……………


ピタッーーーーーーーッ

「あれ、鳴き止んだ」

私の声が聞こえたのか。

カエルは、鳴くのを少しやめた。

といっても、また直ぐにグワッ、グワッって鳴き始めたけれど。

私がうるさいよ!というタイミングと、たまたまカエルが鳴くのをやめて休む時が被って交差しただけなのかもしれないが、何だか面白くておかしい。

まるで、少しだけカエルと会話したみたいだ。…と言っても私の一方通行(笑)

けれど、そんな少しの時間は、何処か普遍的でホワホワして、面白い時間だった。

けれど、最近はカエルの鳴き声を聞かない。居るはずなんだけれど……。

もしかしたら、私が意識してないだけ……?



……かもな。

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