死化粧師、という漫画(漫画感想)
三原ミツカズさんが書かれた漫画。
『死化粧師』
私がこの作品に出会ったのは、祖母が亡くなった時だ。
母方の祖母が亡くなり、『おばあちゃんの最後のお化粧、いしかが出来るかどうか叔母ちゃんに聞かれたんだけど、出来る?』と母に聞かれた私は、出来る。と即答。
そして私は、納棺前の祖母に化粧を施す事になった。
私の施した化粧が、祖母にどう思われたか わからないが、私の化粧道具と祖母が元々持っていたマニキュアを使い、叔母と従姉に手伝ってもらいながら、私は祖母の最後の化粧をやりきる事が出来た。
そんな、中々出来ない小さな経験をした私は、納棺師という職業をもっと知りたいと思い、大手通販サイトで納棺師さんの関連の書籍を調べていった時、たまたま辿り着いたのがこの作品。
以前はドラマ化もされていた本作。
主人公の「間宮心十郎」はエンバーマーで、エンバーミングという技術を使い、ご遺体に防腐処理を施し、殺菌、修復を目的とした特殊な処置を出来る資格を持っている。
普段は、本作のヒロインである『アズキ』の祖父の教会を引き継ぎ、そこで暮らしていて、アズキも、だらしない心十郎の部屋を掃除しに来ている間柄。
そんな心十郎を中心に、亡くなった人と、その家族のお話が描かれていく。
作者の三原ミツカズさんがこの物語を描こうと思ったきっかけは、親友の方が亡くなり、その葬儀の時に見た親友のご遺体の状態が良くなかった事を後悔され、後に新聞でエンバーミングの事を知り、もっと早く自分が知っていれば、という思いからこの作品が誕生したそうだ。
『死化粧師 ウィキペディアより』
作中の終盤には、実際に起こった電車の事故と同じ様な事故が起き、心十郎が悔しさを滲ませる場面もあり胸が詰まる。
心十郎とアズキの恋。
心十郎の心の傷。
亡くなった人と、その周りの方に寄り添う『死化粧師』。
たまにテレビで放送される納棺師の方のドキュメンタリーなどを見ると、読み返したくなる、そんな作品でもあります。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?