窓から何を見て感じてる?(エッセイ)
父の実家には、一匹の雄猫ちゃがいる。
今は亡き祖母が子猫の頃から育ててきた猫ちゃんで、私が初めて会ったのは去年の夏、祖母が旅立った時の事だった。
出会ったばかりの時はやっぱり警戒心が強く、人が来ると、すぐ祖母の部屋へ逃げ込み、少し時間が経ってから、部屋の入り口からヒョッコリと顔を出して様子を伺っていた子だった。
時々つまらなくて自分から近づいてくるけれど、周りの人間が気付くと、直ぐにまた祖母の部屋へと逃げ込んでしまい、何だか少し可哀想に…。
そんな猫ちゃん、ここではグンちゃんと呼ぼう。
そんなグンちゃんとは、お正月、また父の実家へ帰った時に、久し振りに再会。
といっても、初めて会った時からまた間が空いてしまってた為、また警戒心MAXなグンちゃん。
女性だったらグンちゃんは懐っこいと言われていたけれど、私は駄目っぽい…。
……、悲しすぎるっ!!
まだまだ、中々、仲良くはなれません(笑)
けれど、そんなグンちゃんをどうしても見たい私は、遠くからグンちゃんを見つめ、持ってきていたカメラで写真をパシャパシャ。
………もしかしたらこういう所がダメなのだろうか……。
そんなグンちゃんを観察していると、グンちゃんは、カーテンの隙間から顔を出し、窓を通して外をジーッと見つめている。
猫ちゃんは、良く外を見るのが好きだと聞いていたけれど、グンちゃんもその一匹のようで、どんな景色や音、匂いを感じているのだろうと…、グンちゃんを見ながら思った。
結局グンちゃんと仲良くなる事は出来ず、少し触らせて貰った位で家に帰る事になった私。
もしかしたら、私の、猫ちゃんに触り慣れてない感じが伝わってしまっているのだろうかとも思ったが、ただ一つ変わらないのは、今回もグンちゃんは可愛かったということ。
もし出来るなら、グンちゃんの目になって窓から見つめていたものや感じていたものを感じたい。
……そんな事を思った私だった。