多神教と一神教
一神教と多神教という分類は、しばしば対比される概念として語られることが多いが、実際には宗教の一側面に過ぎない。このため、創唱宗教と民族宗教という分類においては、一神教であるイスラム教と多神教であるゾロアスター教は同じ創唱宗教に分類され、一神教であるユダヤ教と多神教である神道は、歴史や世界観が大きく異なるにもかかわらず、民族宗教という同じカテゴリに入る。また、一神教の中でも、シク教とキリスト教の間では神の概念や世界観に大きな違いがある。これは多神教でも同様であり、神道における神とヒンドゥー教における神は全く異なる概念であり、両宗教の歴史や世界観も異なる。このことからわかるように、分類とはいくつかの共通する特徴を基にまとめたものであり、完全に同一のものを集めたわけではない。そのため、大まかな分類を用いた安易な比較や文化論は非常に危険である。