渇き
【ピエロの手記52 断章40】
真冬のラーメン屋さんで二人は大汗
外へ出て強い北風に
「寒う」と襟をかき合わせる彼女の仕草があまりに可愛らしくて
思わず抱きしめた
彼女はハグを許してくれたが
両親は許さなかった
だから
運命の暗転は自然の成り行きだった
それでも
親から逃れて二人になろうと
言ってくれはしないかと 待った
3か月 6か月経つと
みゆきの歌が耳に心に迫った
❛♬いつまで考えているのさ❜
以来
心の飢餓は
人生への飢餓となった
今宵も渇いた心は詩を書いている
‟悲しいピエロ”
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