憧れるのを辞めましょう
公道でレーシングカーを走らせたい。それはこの世の全成人男性の夢だと思う。
2年前、真夏の鶴川街道を走るローバーミニをみた。レーシンググリーンのそのミニに乗る若い男女をクロスしたロールケージ越しに見た。その光景が忘れられなくて、羨ましくて、ローバーミニが欲しくなったのだった。
2023年の年末。数ヶ月前からグーネットのお気に入り登録していたローバーミニを見に行くことにした。なぜそのミニが気になっていたかというと、ロールケージがクロスだったから。全くアホらしいがそれだけの理由だった。そして僕はそのミニを買うことになった。ウェーバーキャブ仕様でドグミッション。願ってもない、むしろ要らなかったくらいのスパルタン仕様だった。あの日見たカップルは楽しそうに会話をしている姿を見た。少なくともドグミッションではなかったのだろう。今日も誰かが1人運転する僕の後ろ姿をクロスしたロールケージ越しに見ていることだろう。