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新札が不便すぎる

紙幣が新札に替わり、手元の現金も半分くらいは新札に切り替わってきたように感じます。キャッシュレス決済が増えているため、現金を使う機会は少なくなり、手持ちの現金も数年前に比べてかなり減りました。しかし、どうしても現金でないと決済できない場面もあり、多少は持ち歩かざるを得ません。現状ではこの新札がとても不便です。

コンビニやスーパー、薬局など、クレジットカードや各種キャッシュレス決済が浸透している店舗ではほぼ新札対応にもなっており何の不便もありませんが、飲食店の現金決済のみの券売機や一部のキャッシュレス決済にしか対応していない店舗では、新札に対応していないケースが多く見受けられます。特に、単身利用が多いの飲食店(カレーやラーメン等の個人経営店舗)や子どもを連れていくような少額決済がメインの施設(子供向け遊戯施設やゲームセンター等)では、まだ新札が使えない場合が多いです。

先日、家族で子ども向け某テーマパークに行きましたが、有料遊戯のチケット券売機は新札が使えず、現金のみの対応でした。しかも、店員は不在で、近くに両替機もありませんでした。結局、列を離れてわざわざお土産売り場の長いレジに並び、旧札と交換してもらったうえで並びなおす事になりました。子どもは遊びたがってぐずり出して非常に困りました。頻繁にそのテーマパークに行くわけではありませんが、こうした対応が続くと、親としての満足度はどうしても下がります。

また、昔ながらの有人レジを採用している飲食店では、新札流通直後は戸惑う様子が見られましたが、今では通常通り対応してもらえます。しかし、ラーメン屋を中心とした個人経営の食券制の飲食店では、未だに新札に対応していない店舗が多く、新札しか持っていない場合には非常に困ることがあります。店舗側の対応不足が原因であるにもかかわらず、ワンオペの店員が調理を中断して旧札と交換する際、他の客から睨まれたりその店員からもため息交じりの嫌な顔をされながら交換対応されたりすることがありました。

新札流通開始からわずか2カ月程度で約半数が切り替わっている現状を考えると、券売機の新札対応やキャッシュレス対応を進めていない店舗は、早晩行き詰まるのではないかと感じます。人手不足が深刻化する中、現金対応のために人員を追加することや、信用のない短期バイトに現金の管理を任せるのは現実的ではありません。スーパーマーケット等であれば、お金のやり取り部分は機械による自動化されている為問題はほぼ起きませんが、現金を扱う食券制の飲食店では管理リスクが大きすぎます。前払い制の業務フローを後払い制に変更することも、人員やスペース、コストの面で難しいでしょう。

20年前の紙幣変更時に比べ、キャッシュレス決済が進んでおり、現金を扱う管理コストは相対的に高くなっています。しかし、現金をメインで扱う店舗ほど、その管理コストへの意識が低いように感じます。例えば、現金の管理には店舗保管用の金庫代、両替手数料、夜間金庫や警備会社の現金回収サービスなどの費用がかかりますが、キャッシュレス決済にすることで現金紛失リスクや銀行とのやり取りにかかる手間や費用がなくなります。すべてをキャッシュレスにすることは難しいかもしれませんが、扱う現金の量を減らすことで、管理コストは削減できるはずです。この管理コストをきちんと計算し、どの決済方法を選択するか、そのコストを価格に反映できているかが、商売の成功を左右する分水嶺になると思います。

複数の決済手段に関しては、店舗の事情や客層によってさまざまなので、実際に運用してみないとわからない部分もあるでしょう。しかし、個人的には、現金の旧札や旧500円玉のみ対応の店は、出張などの際に事前に検討する飲食店の候補から外すことが多くなると思います。

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