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【12週6日】NIPT検査を受けた方がいいかもしれない、と初めて示唆された日

2022年3月5日。
一週間前に、11週の時点で
婦人科を受診していた。
本来なら、3週間前の2月12日以降
3月5日まで来なくてもよかったのだが、
3週間赤ちゃんの無事を確認できない
ことが待ちきれず、1度自主的に
受診をして、迎えた3月5日。


その前の週では赤ちゃんの心拍は
無事確認できた、が、もらった
エコー写真に違和感を持ちながら
結局1週間不安のまま、迎えた12週。
この日から婦人科でなく、産科で
受診する週数だった。

婦人科では、内診台にあがり膣エコーから
赤ちゃんを確認する。
産科では、横になり、お腹の上から
エコーをあてて赤ちゃんの姿を見る。
大きくなった赤ちゃんと会えるので
通常であれば楽しみな気持ちが
勝ってる時期ではあるけど、
私はどこか心中穏やかではなかった。

ほんの数か月前に
「〇〇さん、残念なんだけどね、
赤ちゃんの心臓が動いてないです」
と言われたあの部屋。
同じ部屋に数か月ぶりに入る緊張感、
無事に今日の診察が終わりますように、と
ただただそれだけだった。

部屋を暗くして、
画面には赤ちゃんの姿が
映し出された。
元気に動いている様子。
もうこの時点で
安心と不安と記憶が入り混じって
涙が出てたのを覚えてる。
今思うと、やっぱ通常の精神状態
ではなかっただろうな、と
思い返す場面は多々ある。

通っている産科は、
久しぶりに映像でだけど動く赤ちゃんと
会えることを楽しみに待っていた
お母さんの気持ちに寄り添って、
いつも時間をかけゆっくり見てくれる。


首の後ろ辺りを測定している、
写真でみた違和感の箇所。
じっくり何かを測定している様子に
不安を感じ、
「今は何を見てるんですか?」
と聞いてみた。

「この週数でしか見れない箇所を
見てるんですよ」
「先生からの説明聞いてくださいね」

とだけ返された気がする。
もう嫌な予感がしている。
もう3週間も不安が続いているのに
「順調ですよ」がなかなか聞けない
もどかしさを感じていた。
素人が感じていた勝手な不安と
思わせてほしい。けど
なかなか「順調ですよ」「大丈夫ですよ」
が聞けない。

「はい、では廊下待合室で
お待ちください」

と終了し、廊下で待つことに。

「検査内容問題なし、
”また○週間後ね”と言われたい」
ただただそれを祈ってた。
が、不安を煽るように
呼ばれるまでの時間が絶対的に長い。
よっぽど不安強めな緊張顔でいたのか、
たまたま当直でいた助産師さんが
「大丈夫?」と声かけてくれた。
もう不安が溢れてこの時点で
涙が出ていた気がする。

この方は3か月前の死産の際に
娘を取り上げてくれた方。
たまたまその日いてくれたのも
偶然らしく、こういう場面で
声をかけてくれて有難かった。

ようやく呼ばれて産科の先生の
話を聞く。
頼む、「無事」というだけを
聞きたい。

前回の採決の検査も問題ない、
赤ちゃんの成長の様子も
問題ない、


「ただ一つ、ちょっと気になる点が」

この瞬間、「嘘でしょ」という気持ちと
「やっぱり」と、ずっと薄く続いてた
不安のパズルが何かカチっと
はまったような、その瞬間のことは
記憶に鮮明に残っている。


「首の後ろのむくみ
(NTというそう)が若干厚いんです。
通常2~3mm台でいてほしいところ、
お腹の赤ちゃんのは3.8mmあります。
これというのは、染色体異常が
ある場合に厚くなる傾向の箇所で
5mmでは完全に異常があるだろうという値、
3.8mmはちょっと気になる厚みです」

「年齢が40歳であること、
前回の妊娠7か月での死産があったこと、
3.8mmという厚みではあるが
NIPT検査、新型出生前検査を受けては
どうだろうか」という提案だった。

「染色体異常」
何を言ってるのだろうか、
感じていた不安が目の前で現実に
起こり始めていることに
頭が真っ白になった。

NIPT検査は強制ではない。
あと、必ずしもNTが厚い=染色体異常
とも限らない。
全く厚くないのに、
染色体異常がある子が産まれてくる
ケースもある、とのこと。
結果次第では妊娠を諦めることに
なるかもしれないことを思うと
はなから受けない選択肢も
あります、と。あくまでも任意です。
自費でかなり費用がかかる点も
言われた。


染色体異常?とはなんだ?
「赤ちゃんの心臓が動いてません」と
言われたときと同様、
こうも信じがたい文章を次々に
耳にすると、聞いていると、
人間、頭が真っ白になる。
この時の私は、
13トリソミー、18トリソミー、
21トリソミーがダウン症、と
そんなことさえ知らなかった。
同時に、久しぶりの妊婦検診、
3週間抱えていた「大丈夫かな」の不安が
払拭されることなく
悪い方向に進んだことに
真っ白だし、なぜこうなるんだ、、と
落胆してしまった。

受けるとなれば、今ここで
大学病院に予約を取ることも
可能、と。別日に予約を
とりたいと連絡もらうも可能。
ご主人とも相談してください、と
言われる。

夫の意向はきっと私と同意見だろう、と
ほぼ二つ返事でその場で
「受けると思います、
一度主人と電話してきます」と
診察室を出た。

主人へも電話で説明し、
「ダウン症の子かもしれないんだって」
「検査受けるよね、予約入れるでいいかな」
と、建物の外で連絡をとった。

病院側から、3月8日(火)に
予約を取ってもらった。
夫婦同伴で行くこと、
この日には説明を聞くだけにして
NIPT検査を受ける受けないは
その場で決めてもよいこと、
慣れないことの運びに
心臓がバクバクしながら
説明を受付で聞いた。

午前の外来はとっくに過ぎて、
待合室には私だけになっていた。
廊下待合室で待っていた時にも
声をかけてくれた助産師さんが
また来てくれた。もう
顔を見るだけで涙が出てしまう。

大丈夫だからね、きっとね、
と涙しながら、
ハートの形の折り紙を渡してくれた。
さっき廊下待合室で待っていた時も
顔がものすごい強張ってたんだろう、
笑顔でね!とメッセージが書いてあった。
この日以来、私はずっとこの笑顔でねハートを
どこ行くにも持ち歩くことにしている。

前途多難すぎる。
打ちひしがれながら、家族の待つ家へ
徒歩で帰った。
その景色はあまり覚えてない。





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