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#6 確認拒否 --夫を見るのが怖い

年末年始にバタバタしていたら、更新が滞っていました。

そういえば、夫が亡くなってから年賀状はやめてしまいました。
うちに届く年賀状は、子供たちが保育園で描いた干支が入った可愛い年賀状と、田舎の両親がこれまた子供たち宛に書いた年賀状だけです(笑)

119番通報の続き

「ご主人の様子を教えてください。呼吸はありますか?」
119番のオペレーターの方が言った。

救急車を配車したと聞き、少しほっとしていた。
自分ができることはやって、後はとにかく早く来てくれるのを待つだけだと思っていたので、驚いた。

私「え、、、わからないです。私は今、玄関から電話をかけてます。」
(夫はキッチンで寝ている)

オペレーター「ご主人の呼吸を確認できますか?」
(おそらく私の回答に驚いた模様)

私「え、、、できないです。怖いです。怖くて見れないです。早く来てください」

詳細には覚えていませんが、夫の様子を見る見ないで押し問答をして、最終的に結構激しめの口調で怒られました。

オペレーター「あのねえ!もしかしたらご主人は大変な状況になっているかもしれないんだよ!取り返しのつかないことになったらどうするの!?とにかく様子を確認してください!!」

この時の、何とも表現が難しい心境、、、
倒れた夫を直視することは、119番通報の時に「首を吊った」と言葉にすることを生理的に拒絶し、スムーズに説明できなかったのと同じ類の嫌悪感だった。

すごく勇気を出して、それこそ清水の舞台から飛び降りるみたいな心境で夫の確認をするためキッチンに向かう。
先日、昆虫好きの子供たちと野生のカブトムシの幼虫を採取するイベントに参加したのですが、肥沃の畑をクワで掘り起こすと、でっかい幼虫がコロンコロンと何匹も転がり出てきて、「ひぃいいいいいいぃいいいい泣」ってなりました。でも至極真面目な昆虫イベントで、子供たちの為に必死に土を掘り起こしてたのですが、その時の心境にとても酷似していると気づきました。
(伝われば幸いです)

その時はまさかこのまま二度と話せなくなるなんて全く思ってなかった。
でも、あれほど強い拒絶を示したということは、潜在的には気づいていたのかもしれない。


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