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#26 死別5日目 --アパート内覧、検死結果
今日もスケジュールが詰まっている
死別した日から、田舎の母がうちで家事や1歳の子どもの世話をしてくれていた。
少し落ち着いてきたので、今日から子どもは保育園に登園再開。
保育園の先生が私の顔を見るなり涙を流してくれたのだが、私は子どもの前で夫のことで泣かないと決めていたので笑顔で送り出した。
今日は在宅で仕事。午前中の頭が冴えてるうちに、マストの仕事を片付ける。
夫の検死は9時から。
お昼くらいに終わって、午後に警察から結果連絡が來ることになっている。
キリの良いところで、近所の賃貸不動産を探してみた。
圧倒的に戸建が多いのどかなエリアなので、選べるほど賃貸物件は建っていない。が!!近所のちょっとおしゃれなアパートが空いているじゃないか!!
家賃もまあ、ここら辺では相場の価格ライン。
駐車場とセットで考えると、相場よりちょっと安いかも。
すぐさま不動産屋さんに電話。
内覧希望の旨を伝え、急いで住居を探している事情を説明したら、なんとこれから内覧させてくれることになった。
なんとありがたい。
アパートの内覧
当時の家から数百メートル離れたアパートに、不動産屋さんに内覧希望の連絡をして、30分後に待ち合わせ。
テラスハウスタイプのアパートで、内覧する部屋の両側には小さな子どもが遊ぶような自転車やベビーカーがあった。
テラスハウスで両隣に小さな子どもがいるのであれば、うちの生活騒音に神経質にならずに済む。とてもいいじゃないか。
築年数が浅い、きれいな2LDK。1階はキッチン、リビング、風呂、トイレ。2階は2部屋。
リビングには壁の一面だけにアクセントクロスが貼られていたり、キッチンはステンレスだった。
風呂は1畳風呂で戸建と何ら変わらない。
2階は6畳と8畳の2部屋で、ベランダは建物の内側にあり、雨が当たらない構造だ。とてもいいじゃないか。
何より、リビングの大きな窓からの眺め。
アパートの裏には小さな川が流れ、奥には地主さんの広大な敷地があるというだけ。
リビングの目の前には、40メートルくらい先にある、地主さんのお宅の立派な木(これが桜だということは翌年知る)が生い茂っているだけという、素敵な景色。解放感があり、ここなら心機一転して新しい生活が始められそう。
ここに決めます!
すぐに審査に入ってもらうことになった。
保証人は公務員の父にお願いした。
通らないことは想定していない。
審査が終わったら3日くらいで書類を用意してもらい、賃貸契約することになった。
契約の時に支払うのは、敷金礼金諸々で40万円くらい。
検死結果
内覧が終わり、家に帰ってほどなく、警察から電話が来た。
そうか、結果が出たのか。
検死結果は「縊死(いし)」とのこと。
※こちらには定義などは載せません。気になる方はググってください。
まあ、そりゃそうだ。
夫を発見した私は唯一の目撃者だ。
血中のアルコール値も低く、薬物反応もなかったとのことなので、まあ、正気で逝ったということだと理解した。
あの日私が見たことと、何ら齟齬がないということだ。
あとは当事者の私が、その事実をどのように消化していくか、というだけの話だ。