装甲騎兵ボトムズ レッドショルダードキュメント野望のルーツとは何か
前の記事から来てくれた皆様はおはこんばんにちは
初めましての方は初めまして
八々斜目と申します
今回も引き続き装甲騎兵ボトムズテレビ版放映後に発表されたOVA第三弾、レッドショルダードキュメント野望のルーツについて語っていきたいと思う
今回も言わずもがなネタバレ全開なので未見の諸氏は注意してくだされ
野望のルーツとは
野望のルーツは装甲騎兵ボトムズテレビ版第1話以前のキリコのレッドショルダー時代の出来事を描く作品であり、テレビ版から数えて第0話というべき立ち位置の作品である
また、作品全体に関わるキリコのある設定が初めて登場する作品でもある
そして初めてレッドショルダーの狂気の詳細が描かれた作品でもあるのだ
レッドショルダーの狂気
これまでのテレビシリーズ等ではレッドショルダーは民間人の殺害も厭わないイカレ部隊とだけ描かれてきたのだが、今作で初めてその詳細が事細かに明かされることとなったのである
レッドショルダーことギルガメス宇宙軍第10師団メルキア方面軍第24戦略機甲歩兵団特殊任務班X-1はザラストレッドショルダーで初登場したペールゼン大佐の創設した部隊であるが、その実態は軍隊の特殊部隊というより蠱毒の坩堝と言った方が適切である
彼らは新兵が来る度に古株達とATに乗せて殺し合わせる共食いという狂気の新人歓迎会をかなりの頻度で行っているからである
そのため配属された兵の損耗率が異常に高く、徹底された秘密主義も相まってギルガメス軍内部からもレッドショルダーの実情を疑問視する声は多いのである
何故このような体制が敷かれているのか…
ソレはペールゼンが過去見た理想への憧憬が絡んでいる
彼は若かりし頃、見た
決して死なない菌類を
宇宙空間に放り出されても死なない赤子を
そしてソレが異能生存体であると知ったとき、彼の心は決まった
あの異能生存体のように殺しても死なない兵士を集めた最強の軍隊を創ってみたい…と
だからこそ彼らレッドショルダーは殺し合わされるのだ
一度殺して死ぬような人間などペールゼンの理想とはほど遠いのだから
かくしてレッドショルダーは創られた
数多くの兵の犠牲を糧として
異能生存体とは何か
先程のレッドショルダーの狂気の項で単語がでた異能生存体とは何かというと、この作品から出て来た用語であり、絶対に死なない生命体のことを指す言葉である
「それは絶対にあり得ない」と諸氏は思っただろうが、ソレを覆すのが異能生存体なのだ
彼らは因果律に無意識的に干渉し、自分の生存のためだけに状況や環境すらも動かす
だがそれは外から観測しようがない、因果など誰が読めようか、だからこそどこまでも死なない兵士のことを便宜的に異能生存体と呼んでいるに過ぎないのかもしれない
だからこそ、ペールゼンですらも兵士たちを考え得る限り過酷な状況に置き、それでも死ななかった兵士を異能生存体としているのだ
そしてその眼鏡に適った最高の兵士こそがキリコなのである
ストーリーのあらすじ
ギルガメスとバララントによる第三次銀河大戦がおよそ100年目に差し掛かろうとしていた頃、ギルガメス軍のとある調査部隊が悪魔が住むと噂される惑星オドンを訪れていた
彼らがトレーラーで荒野を進む中、物陰から突如レッドショルダー部隊が襲いかかり、全てを蹂躙し尽くした
そう、惑星オドンは赤い肩をした悪魔と揶揄されるレッドショルダーの秘密基地だったのだ
そしてソレから数日後、ペールゼン本人から自分たちの差し向けた調査部隊全滅の報を聞かされたギルガメス軍の高官達は更なる策を弄し、ペールゼンの失脚を狙うのであった
それから幾ばくも経たない内、兵員補充要員としてキリコ達兵士が送り込まれる
そして催されるATに乗っての歓迎会、そんなモノが空砲を撃ち合うだけの模擬戦闘で終わるはずもなく、選別のための実弾飛び交う共食いであった
初めは21名いたキリコ達新兵達も共食いによって大幅に減り、残りは3人だけとなっていた
そしてキリコと他の生き残りの内の一人、カースンが正式入隊をしたあともレッドショルダーの洗礼は続く
共食いの際に相対したグレゴルー、ムーザ、バイマンの3人によってキリコとカースンは尋問を受け、キリコは過去のトラウマの片鱗をのぞき見る
そしてそれから数ヶ月、キリコは一切訓練に参加せずに部屋にこもり、諸隊員からは不満が募っていた
そんな中、基地司令官リーマンに呼び出されたグレゴルー、ムーザ、バイマンの3人はキリコの驚異的な回復能力のデータを見せられ、彼を殺して自らが優れた兵士であることを証明しないかと持ちかけられる
そして3人は各々武装し、キリコを襲撃するのであった
キリコの命運や、如何に
後書きとかいろいろ
先に書いたとおり、これは本編1話の前、第0話に当たる話なので当然キリコは生存するのであるが、この話以降、キリコが生き残るのは主人公補正なとではなく、異能生存体の能力によるモノと言うことになっており、ダントツの人気ではあるモノの作品の味わいが変わってしまったと言うことで少しばかり賛否のある作品となっている
とはいえ、映像美と初めて描かれたレッドショルダーの詳細だけで満腹になれるOVAであり、キリコの生き様が相変わらず格好いいので是非見て欲しい