装甲騎兵ボトムズ ペールゼンファイルズとは何か
前の記事から来てくれた皆様はおはこんばんにちは
初めましての方は初めまして
八々斜目と申します
今回は赫奕たる異端以来の12年の沈黙を破って送り出された鉄と命の意味なき損耗、異能生存体の可能性を探る物語、ペールゼンファイルズについて語らせてもらおう
男率100%の鉄と命の意味なき損耗
本作は男祭りと揶揄される高橋監督作品の中の極北、ボトムズシリーズの中でも非常に珍しく、女性キャラが一切存在しない
画面の端から端まで見ても男だらけなのだ
だがそんな男祭りの中でも腐った妄想をする隙間などは存在しない
どいつもこいつも味方を生きた盾か何かとしか認識していない仲間殺しの死神野郎共ばかり、どこに情の芽生える余地などあろうか
そして本作は一話からスゴい、まるっとプライベートライアンのオマージュなのだが、AT1000機程とそのパイロットを渡河作戦に放り込んで3人くらいしか生き残らなかったとかいう地獄の様相である
本作はそんな地獄が詰め込まれた最低野郎共のための作品なのだ
CGで描かれるATたちの重みと物量
本作ではソレまで手書きで描かれてきたATたちがCGによって表現されており、その恩恵によって手書きでは難しかった、画面の端から端までATだらけの正に戦争と言った絵面を作り上げることに成功しており、その均一性は正に量産型の極みであるATにマッチしていた
ソレまでは作画担当によって多少のブレがあったATたちだが、CGによってより量産型らしい均質性を持ったのだ
高い均質性を得たその代わりに、ふくらはぎのダクトや手首などの様々な部分の解釈違いが取り沙汰されることになるのだが…
新たに描かれる100年戦争の光景
本作は時系列的には野望のルーツと本編一話の間のエピソードであり、野望のルーツ以外で唯一戦時中が描かれており、これによって戦後ロボットアニメというとてつもなくニッチなジャンルだったボトムズは名実共に戦争ロボットアニメと銘打てるようになったと感じられる
アクと濃さを増し増しにした予告とポエム
ボトムズは元々無口な主人公キリコがモノローグで心情を語るポエムや数々の比喩表現に溢れた銀河万丈氏が読む魅力的な次回予告もまた特徴だったのだが、本作ではさらに気合いが入っており、例えていうなら濃厚豚骨スープ油マシマシと言った様相である
濃い、圧倒的に濃い、だがだからこそ良いのだ、本作の予告は
ストーリーのあらすじ
第三次サンサ戦を生き抜いたキリコはレッドショルダーから転属させられ、惑星ロウムスでのタイバス渡河作戦に参加していた
味方のスコープドッグやダイビングビートルの群れがまるでゴミクズのように散っていく中、彼は生きていた、生き抜いていた
そんな中、ギルガメス軍最高裁判所ではレッドショルダー関連の事実が明るみになったことにより、ペールゼンは裁判にかけられていた
だが彼は尋問中に何かされたのか心神喪失状態であり、裁判は彼にとって不利に進んでいった
いよいよ彼が裁かれようと言うとき、メルキア情報省次官のウォッカムが口八丁手八丁で法廷からペールゼンを攫っていった
そしてウォッカムはペールゼンを自らの懐の内に監禁し、異能生存体について暗号文で書かれていると目される機密文書「ペールゼンファイル」について尋問する
そして生き残ったキリコは傷だらけの身体を引きずり、100年戦争の最前線、惑星ガレアデに行き、ペールゼンファイルに記された四人と共にバーコフ分隊となり、戦場へと誘われる
250億分の1の可能性を証明するために
後書きとか諸々
本作はどう足掻いてもテレビ本編1話の小惑星リド襲撃事件に繋がっていくため、キリコの生存は確定しているが、他の人物については分からない
そしてバーコフ分隊の5人の生き様や関係性の変化にも注目して欲しい
ソレでは最後にこの作品で最も人気のあるであろう予告を置いて〆としよう