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ライフイズストレンジ クリア後感想[ネタバレ注意]


初めに

めちゃくちゃネタバレありだから、遊んだ事がない人は絶対読まないで欲しい
これ読んでる人がいるとは思えないけど



最後の選択

カスみたいなスクショ

このゲームはやっぱり一番最後の選択肢が全てだと思う。
このゲームの道中の10時間近くのゲームプレイは全てこの最後の選択でプレイヤーの逃げ道を消す為にあったと言っても過言ではないと感じる。

そんくらい最後の選択では悩まされた。
このゲームの上手い所が、どっちの選択肢も丁度同じくらいの重さがかけられている所。
この選択って要するにクロエか街の人々、どっちを取るかって話なんだけど、最後の選択に辿り着く頃にはどっちにも情が湧きすぎている。

しかもこの情って言うのも単純な優しいキャラだから、みたいなもんじゃない。
どのキャラにもちゃんと嫌な部分があって、でもゲームを通して隠れた良さがわかってくる、みたいな一番感情移入しやすいタイプのキャラ作りがされている。

悩んだ結果、最終的に俺はクロエ犠牲ルートを選んだ。
運命は決まっていて、力に頼って変えた未来はどんな都合があっても間違っている。
これがこのゲームにおける正解なんじゃないかと自分は考えた。

最善の選択肢を引き続ける

正論厨マックス


常に選択肢がで続けるこのゲームの中で割りかし序盤の方から選ぶ方針を決め続けた。

これは人によって違うかもだけど、俺はこのゲームにおいて自分は3人称視点だと考えてて、マックスは自分とは別のものとしていた。
だから、一個の方針を決める事でそこから安易に自分の考えによって選択がぶれないようにしたかった。

今回のプレイで俺のプレイするマックスは常に最善択を取り続け、みんなにいい顔をする方向性に決めた。

実際に自分が時間逆行出来るようになったとしても多分そんな、感じになるんじゃないかなとも思ったし。

でも悪夢の所のマックスで全員にいい顔をする事をボロクソに言われてて大方納得してしまった。
正解の選択肢を取り直して、それぞれのキャラからの好感度が上がっているのをみて悦に浸っている。
間違った選択肢をとって後悔する事から逃げて、後々都合がいいようにいちいちやり直す。
そんなプレイヤー自身に刺しているような言葉に感じた。考えすぎかもしれないけど。

全体のストーリー

ここでジェワソンの考えが読み取れるの面白い


全体のストーリーの作りはマジで凄いと思う。
メインとなる事件(ネイサンの奴)の伏線を貼りながら、最後の選択肢に向けてキャラごとの理解が深まるように会話を展開して、そして最後の2択に持っていく。
1番最初のタイムリープでクロエを救ってるから、能力を無かったことにする為にはクロエを犠牲にしなきゃいけないって言う作りに気づいた時はマジで感動した。

ジェワソンの授業だったり、マックスの自撮りタイムリープだったり細かい伏線も凄く良くできてる。

そもそもこのゲームの根本の設定が写真なのもかなりオシャレ。特にタイムリープ後に写真が塗り替えられていく所。
思い出を残すことが目的の写真そのものが塗り替えられる事で、元の記録はどこにも残らず消え去ってしまっていることが感じられる。
この仕組みのおかげで最後のクロエが犠牲になった後の重みも増している。
写真っていいな。

最高のBGM

神がかった導入

まずこのゲームのbgm、グラフィックはめちゃくちゃ良い。特にbgm。
ゲームの作り方といいマジで洋画を見てる気分だった。
エピソード1の主題歌の流れ出す所から雰囲気良すぎて、このゲームに引き込まれた。
それからもエピソードの切れ目とか、始まりとか曲が流れることが多いんだけどどの曲もいい。
聞いたらその時の雰囲気が思い出せるような良い音楽ばかりだった。

過剰なノスタルジー演出

ただ、クロエとのシーンはどれもノスタルジー感を強調しすぎていい、ちょっとうんざりもしてた。
事あるごとに俗な言葉で言うとエモさみたいなのを出そうとしてて少し口説く感じてしまった。

そもそも洋画が苦手で全く見ないからわからないけど、海外の作品もどれもこんな感じなのかな?
少なくとも日本の映画やドラマでやったら、絶対キツイ演出って言われてる気がする。

でも最後の選択を、見た後だとこの過剰なまでの演出も大事だったなと思った。

クロエ犠牲ルートを選ぶと全部話の開始地点にリセットされて、無かったことになる。
つまりはマックスが見てたクロエとの夢みたいな物になる訳で、クロエとの楽しかった時間が夢の時間だったって考えるとかなりしっくりくる気がした。

選択後の後悔

最後の選択後、EDを見て若干後悔の感情が残った。
街生存ルートを選んだら、街の人々は救われて、もう少しいい終わり方になるかと思ってた。
でも実際は全体的に暗い感じで、話としては諸々の問題も解決してグッドエンドなんだけど、後を引きずるような終わり方だった。

ただ、この後悔の感情がこの作品の鍵だと感じた。
選択肢をやり直せる時は何を選んでも全く後悔はなくて、
さっきも書いたように毎回都合のいい選択肢を選んでたから、いい気分で次に進んでいた。
けれど最後の選択はやり直しが効かなくて、後悔をしたはずなんだけど、そのなんとも言えない感情のまま終わるのがすごい良かった気がする。

最後のマックスの若干の笑顔は色んな意図があるんだろうけど、その中に今話したような感情があるんじゃないかなと思う。

力の代償からもわかるように結局最善の選択肢を引き続ける事はできなくて、どこかしらで後悔を背負はなければいけない。ただそのやり直しの効かない失敗とかが人を前進させて成長させる。
このゲームから自分はそういうメッセージ性を感じた。

映画との違い

上に書いたような事を自分は考えたんだけど、これは完全に自分の中で勝手に出した結論で、このゲームで感じる事って人によって全く違うと思う。

さっきこのゲームは洋画を見てる感覚だって書いたけど、映画見ているのとは全然違くて。

映画って一方的に受け取る物だから、そこから考察する時もあくまで回答を自分流で考えるだけ、みたいになると思う。
質問が出されて、それに対する答えっていうものが考察に当たる。

ただこのゲームの場合は、自分で質問も作って、自分でそれに答える。ここまで全部が考察になってる気がする。

自分でキャラを動かして自分で選択肢を選ぶ。この過程で自分の動かし方、選び方によって何か考える余地が作られる。
これがめちゃくちゃ面白いなぁと思った。

今の話はadvゲーム全体に言える事で、
だから俺は観るだけの映画とかよりもadvゲームが好きなのかもしれない、と改めて考えるいい機会にもなった。 

パラレルワールド

クロエ生存の方が多いの結構意外だった

最後に付け加えると、今回クロエ犠牲ルートを選んだけど、その後戻ってもう片方のルートは見なかった。
ここで、もう片方のやつは気軽に見直さず片方のルートで話を終わらせることがこのゲームから学んだ教訓だと感じたからだ。

このゲームの制作者は絶対そんな事考えてないだろうけど。

あと個人的にはこの全部最初に戻って終わるのが凄い綺麗な終わり方に感じて好きだった。
昔見たバタフライエフェクトって映画と同じ感覚がして。
なんでタイムリープ物の初期地点の戻るみたいなのってこんなに面白いと感じるのかなぁ。
よく考えたらシュタゲも同じだしね。

まとめ

遊んでる最中は正直このゲームにそこまでハマって無かったんだけど、いざ感想を書いてみると色々と考えさられることが多くて自分は意外とこのゲーム好きだったのかもと思わされた。

遊んでる時面白いゲームと後から思い出して良かったゲームって間違いなく別で、これも後者の類に該当するんだろうな。

ただ、ゲーム性は相当きつかった。まだタイムリープを使ったパズルとかはいいとして、空き缶集めとか、光を避ける所とかは苦痛以外の何者でも無かった。画面も暗い所暗すぎだし。

正直連続で続編やりたいかって言われたら全然ならないけど、いつか気が向いたらやってもいいかもしれない。
少なくともこの一作目は遊んでみた良かったって感じる良作だった。



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