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新聞販売店のPLC

今回は、PLC(プロダクトライフサイクル)の視点から見た、新聞販売店ビジネスについて書きたい。

PLC(プロダクトライフサイクル)とは、マーケティング分野で良く使われる理論である。
商品を市場に投入してから、徐々に売れ始めて売り上げのピークとなり、その後徐々に売れなくなって撤退するまでのプロセスを示す。

図で表すと下図のようになる。


PLC

それぞれのプロセスは大きく分けて導入期、成長期、成熟期、衰退期の4つに分かれており、各プロセスの特徴は下記の通りとなる。

導入期:
市場に投入されたばかりで製品の認知度は低く,消費者にはその価値や効用が伝わっていない段階。
広告宣伝を中心とした認知度を高める戦略を取る。


成長期:
製品の普及が進み、製品市場が急激に拡大していく段階。競合の参入が相次ぎ、競争が激しくなる。
製品を改良し、他社との差別化を図る戦略を取る。


成熟期:
市場が飽和状態となり、撤退する企業も多い。勝ち残った企業のブランドが確立する。
小幅な製品改良などによって、投資を抑えながらシェアの維持や利益の確保を図る。


衰退期:
需要が減り始め、売上が急激に減少する。市場からの撤退を検討する時期である。


新聞販売店のビジネスは、

間違いなく衰退期に存在している。
ここでの戦略としては、教科書的には撤退がベターな戦略となる。

では、撤退以外は無いのか?
全く無いわけではない。
それは残存者利益という観点である。

残存者利益とは、市場は成長しないが競合も少なくなった際に、最後に生き残った企業が独占的な利益を享受するというものである。

「経営戦略の教科書」(遠藤功著)によれば、

残存者利益を得るための条件は、

●大きな成長は期待できないが、絶対に無くならない製品である。

●市場の成熟期を耐え忍ぶだけの体力がある。

●競争相手は多いが、それほど強くない。


という条件が揃った市場であることです。
新聞業界はどれも当てはまると感じる。

新聞販売店ビジネスで生き残るためは、今は耐え忍び、体力(財務+人材)を蓄え、消耗することを避けることが重要であるということだと思う。

特に人材難の現在は、労務を制すればエリアを広域に制することが可能である。
プロダクトライフサイクル的に言えば、新聞販売店ビジネスは今からが面白いのかもしれない。

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大塩 謙
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