【短編小説】情報通(第六話 完)
どこにでも情報通はいるものだ。
近隣の話題に詳しいのである。
どこで仕入れてくるのか。
会社の近所の事に詳しい。その界隈の昔の話しやら、最近の話題などよく知っている。
そのビジネス街に引越ししてきてから既に十年近くになる、ある会社の社員の中の一人が、いわゆる情報通なのだ。
本人曰く、
「情報収集は、近所の人と仲良くなることだ。気さくに話し合える心掛けを持って接することだ」と自慢げに話す。
第六話(完)
彼(情報通)は、会社の周りの地域の様々な出来事や、過去からの経緯やらを、これでもかというくらい知り尽しているようだ。
ところが、社内では意外と周りから信用されていない。
それを克服するには、彼自身、努力することが大切だ。
そもそも「情報通」とは、その道の情報に詳しい人。消息通。(出典:三省堂「大辞林第三版」)と謂われている。
皆が知らない秘密の事柄を知っているのが「情報通」の人と謂うらしい。
その人たちに共通するパターンというものがあるそうだ。
①「他の人には絶対に話さないでね」と言われた事は絶対に口外しない。
②自分から情報を収集・発信している。
③そうだねと相手にたいする相槌(あいづち)が上手い。
④TPOに適(かな)った話を相手に返せる。
⑤日々教養を身につけるよう勉強している。
以上、五点に要約されるらしい。
これらを身に付けた人は、人生においても仕事上においても勝ち組みの部類に入るのではないだろうか。
情報通の、その彼を除いては...…。
了
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