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雨#1

 日本人は雨を嫌う傾向があるというが、お国が変われば考え方が違うようだ。
 インドなどでは雨が降ると「良い天気」となる。甘露かんろなのだ。コージーなのだ。

 雨にも様々な呼び名があるらしい。
 季節的な雨、降り方の違いによる雨、突然降る雨、降り続く雨、場所限定の雨、恵みの雨、不思議な雨。

 幾種類も呼び名がある雨だが、普段聞きなれない雨は、
 翠雨(すいう):青葉に降り注ぐ雨
 甘雨(かんう):しとしと降り作物を育ててくれる雨
 喜雨(きう):日照り続きの後の恵みの雨
 虎が雨(とらがあめ):曽我の雨
 怪雨(かいう):魚やカエル、木の実などが雨と一緒に降ること

 情緒ある呼び名の雨は、
 小糠雨(こぬかあめ):春に降る細かく降る雨
 時雨(しぐれ):晩秋から冬にかけて、あまり強くない雨
 涙雨(なみだあめ):ほんの少しだけ降る雨、等々
   
 映画のある場面などで、真冬の夜、背広姿のハットを被った男が街の噴水のある一角で雨が降る中、傘も差さずに佇んでいる。
 誰を待っているのだろう。時々腕時計を見る。すでにびしょぬれである。
 そこへ一人の女性がその男に近寄り、赤い傘を投げ捨て、その男に抱きつく・・・。
 あらぬ妄想を抱く様々な雨の情景ではある。

 雨にまつわる曲も多い。
 例えばクラッシック曲では、ショパンの雨だれドビュッシーの雨の庭ラヴェルの水の戯れなど。
 日本の曲では、松田聖子の赤いスィトピー、村下孝蔵の初恋、太田裕美の九月の雨、さだまさしの雨やどり、等々、数え上げればきりがない。


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