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voice_watanabe
黄金道路 #1
襟裳岬は、日高山脈の最南端に位置し、太平洋に向かって突き出た岬である。
岩礁群が海上にまで伸び、白波が洗っている。
語源はアイヌ語でオンネエンルムである。
オンネは大きい、エンルムは突き出たところを意味しており、幕末の松浦武四郎は、遠くから襟裳岬を望むとネズミ(エルム)が伏せたように突き出ていると当時の日誌に書いている。また海中の大岩が点々と連なり、ネズミの尾のようだと記している文献もある。
その昔、千島列島、樺太(サハリン)から東北地方北部まではアイヌ民族の土地であった。北海道ももちろん彼らの土地であった。日高地方にも大勢のアイヌが居た。