※少年漫画なんかの強大な敵に魅力がある事の雑記。

文化人類学とか神話学とか調べていくと。

人間には人間は強大で邪悪なものに対する者に対して畏敬の念を払ってきたって、神話研究者が言っていたから。それなんじゃないか。

それが異性だったら、恋愛感情なんかも混ざって特に魅力を感じる的な。

日本だと鬼。西洋だとドラゴンとか。悪神とか邪神とかに対する畏敬や憧れが人間にはあるわけよ。
万物や自然がもっと驚異だった頃の擬人化だなあって。

日本で言えば妖怪は零落した神々だし。
西洋で言えば悪魔は堕落した天使、つまり神の模造品なわけですよ。
つまり、妖怪も悪魔も神々の一種なわけです。

で、漫画の敵キャラ。所謂「ヴィラン」って、特にボス格だと物凄い人気があったりするんだけど。

ヴィラン人気。
ヴィラン信仰は神話学的には「悪神信仰」なんじゃないのか?って思ったりするわけです。

強大な力を持った存在が圧倒的な暴力で、人間社会の秩序を踏み潰すみたいなのに、人間は太古から恐れとある種の憧れを抱いていたわけです。

で、更に日本神話とかギリシャ神話とか北欧神話みたいに多神教の場合だと。
神様それぞれに様々な人格があって、人間に近いわけよ。

でも神様って気まぐれで人間を踏みつぶす存在なわけですよ。
なので、本質的に神様って祀ったり敬ったりして恩寵を受けるわけなんですよね。

そして、より人間臭い神様や、より人間臭い敵キャラって「人気」だったりするわけなんですよね。

人間は強大な存在に畏敬の念を払うというのがDNAの中で、本能的に刻まれているのだろうと。

後。米国みたいに特に秩序が混沌としていくと、ヴィランみたいな存在に対して「ダークヒーロー」とか善性を見い出して。
ある種の救済的なものを見るように、ヴィラン人気が膨れ上がるのかなあと。

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