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母親と相続の話をしてギョッとしたこと

両親の財産について話すということ

「お前に全部遺したいと思う」
母親から言われて、先日ギョッとしました。
何かというと相続の話です。
実家には両親が二人暮らしで、私には3歳年上の姉がいます。

母の言い分は以下です。
「姉には頼りになる夫がおり、子どもも2人いる。それに引きかえおまえ(私のこと)は離婚をしていてひとりぼっちだから。」
とのこと。私のひとり娘は県外に独立しています。何よりの驚きは、その後に続きました。
「お前は〇〇の家の者だが、姉は結婚してよその家の人間になったから」
という母の言い分。でたよ家父長制。
それこそが母の性格をねじまげるほど、長年悔しい体験をした根底じゃないか。と私は思うのですが、そこは気が付かないのですね。

「急ぐことじゃないし、またみんなでゆっくり相談しようね」
母にはそう伝えました。

母親の気持ちはある意味正直うれしいけれど、残念ながら実家は資産家ではありません。田舎の家のあふれる生活用品を整理して更地にしたら、残金があるかどうかも怪しい程度です。
両親の口座や保険などをほぼ把握しているので、年金暮らしで金銭感覚がゆるゆるの父親と、低賃金で働く母親の暮らしは、いつ赤字にならないかを心配しているくらいです。

そして、1番の心配は姉との関係が悪くなるということ。
トータルで考えたら、お金をもらうより、姉との人間関係が悪くなる方が私にとって大きなデメリットです。

私は仕事柄(司法書士や税理士などの士業法人で勤めています)、相続でもめるパターンをある程度聞きかじっており、それはぜひ避けたいと思っています。身近で大切な人とお金なんかのことでもめるだなんて、まっぴらごめんなのです。

一番まっとうな方法は、事前に財産について家族で話し合い、納得できた内容を公正証書遺言で明記することだと考えています。
「家族で話し合いがまとまっていればいいじゃないか」
そう思う方もおられるかもしれませんが、お金が絡むと人は変わります。

財産が多くても少なくても、よほどこだわりがない限り、きちんと公正証書遺言を作成した方がいいに決まっています。少額でももめる家はもめるのです。感情の問題でもあるのでしょう。

実際、財産がきちんとあって、
「なんて明晰な方なんだろう!」
と思うような方ほど、公正証書遺言書を作っておられます。子や孫がいない人でも、寄付先などを早めにきちんと決めておられます。

家族と相続について話したい時のヒント

母親に、
「賢い人ほど早くからきちんと相続などを考えて、遺言書をきちんと書いているよ」
そう伝えたことが、裏目に出たようです。
「じゃあ私も賢くやっておきたい!」
そんな気持ちを刺激したのかもしれません。
※つまり、家族と相続の話をしたいとき、この言い方は使えるんだと思います。

これまで、両親と医療の最後の判断などについては散々話してきましたが、お金のことは少しだけ。相続のことはほぼ話せていませんでした。
これからある程度の時間をかけて、じっくり話し合っていきたいと思います。

私の知人はお母さんが決めておられるそうです。例えば、
「近くに住んでいろいろ世話してくれるA子に、現金を7割と土地家屋を。遠くのB子に現金を3割。理由は〇〇と〇〇だからだよ。わかってくれる?私の愛情は変わらないけれど、事情はみんな違うからね。それからA子は〇〇でB子は〇〇だろう?私が死んでしまっても、姉妹仲良く過ごしてね。」
きちんとこのように全員が納得できるといいのですが、おそらく事前に話し合うこと自体、なかなか難しいようですね。

我が家はこれからゆっくり相談したいと思います。最期の医療の相談はある程度できていますが、相続についても肩肘張らず、みんなが納得できる着地点を見つけられるといいと思うのです。

あなたのお家では財産についてお話しされることはありますか?
もしお役に立てたらうれしいです。読んでいただいて、ありがとうございました!




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