青森高校の生徒へ、あるいはセイコーを目指す全ての小中学生たちへ、 〜アパラチアの春、について〜
今年の吹奏楽コンクールで
青森高校吹奏楽部は
青森県代表として
東北大会銀賞をいただいた。
誇ってよい結果だとおもう。
御存ない方も
いらっしゃると思うので
解説させていただくが
吹奏楽コンクールというのは
審査結果が
金賞、銀賞、銅賞に
分けられ
しかもその比率は
3:4:3
と
決められている(例外もあるけど)。
ただし、東北大会で
東北代表として全国大会に
進出できるのは
上位3校のみ、これは
例外がない。
現在は中学、高校の部は
東北6県から
県代表が2枠
東北大会では
12校の中から
東北代表が3校だが
現在は、
中学、高校ともに
県代表が4枠に倍増したので
24校から
上位3校が
東北代表となる。
セイコー吹奏楽部の
ラフマニノフ、
パガニーニについては
またの機会に
語るとして
アパラチアの春、には
おもうところがある。
やっと東北大会まで
これたと思ったら銅賞、
これでは
参加賞とおなじではないか
(私がセイコーにいたときは
県大会 銅賞 (汗))
とか、いう人もいたが
アーロン・コープランド
の
オーケストラの曲
「アパラチアの春」が
世に知られるようになったのは
1992年
もう30年以上前の話だ。
この曲はオーケストラの曲であるから
ちまたに数多く出ている
多数のオーケストラのCDとか
YouTubeの中から
お気に入りの演奏を探すこともできるが
ワタシとしては、
んー、そうだ
YouTubeで無料で
聴けれる
この演奏にしよう
この年の野庭高校は
おしくも
金賞とはいかなかったが
全国大会に
進出して
銀賞を獲得した。
指揮者の中澤先生は
日曜日の、東芝日曜劇場
「仰げば尊し」で
寺尾聰 主演で
ドラマ化もされた
伝説の指導者である。
野庭高校が
初演した頃の
アパラチアの春、には
いろんなエピソードが、あって
まず、指揮者の中澤先生って
高校教員じゃなくて
外部からきてるプロの
人だったわけね。
そういう人が神奈川県の
公立高校を指導する
ってのは
良いことなんだけども
制度上おいついて
いない当時としては
いろんな制約にしばられて
おりまして。
そういう制約が多々あるなか
それを跳ね除けて
全国大会に進んで
金賞をとったのが
1988年
「春の猟犬」だったわけだが
(考えてみたらセイコーも
この曲で県大会 銅賞で終わってる(汗))
かなり高い評価で
全国大会で金賞をとってから
その後、3年間
野庭高校は
必死に練習していたにも
かかわらず、
関東大会落ち、
全国大会にすら
コマをすすめれなかった。
3年連続
関東支部大会落ち
と
なると
外部から
やいのやいの
言われるものだが、
外部からの
指導者でもある
中澤先生は
関東大会落ちで
もう全国大会に
出られない
(3年連続)
と、わかってから
しょんぼりしてる
部員の前で
JRの駅
電車のホームにて
土下座をして
あやまった
という。
中澤先生
「あれだけ、厳しい練習をさせて
おきながら
君たちを全国大会にすら
つれて、いけなくなった、
申し訳ない」
そう言って中澤先生は
生徒らに
土下座して
あやまった。
もともと
生徒たちからは
信頼されていて
敬愛されていて
「めっちゃ、厳しいけど、この人に
ついていこう!」
で、在学生、保護者、卒業生らが
一丸となって
頑張ってきた中での
野庭高校、関東支部大会落ち
しかも3年連続
しかも
指揮者
土下座
してあやまってる。
↑
この状況は異常なわけで。
電車のホームで
土下座して
あやまっている
顧問、指揮者に対して
その場にいた
部員、全員が
泣き崩れたという。
「いや、先生は悪くないですから」
「今までありがとうございました」
「来年は絶対に全国大会にいきます」
↑
部員たちは
泣きながら
全員が
そう言ったという。
その翌年が
コープランドの
アパラチアの春、である。
銀賞ではあったが
野庭高校は
全国大会へ
戻ってきた。
ただ、銀賞とはいっても
この曲は
コンクールで演奏するには
とにかく
音程合わせが
難しい。
楽譜に書いてあることを
演奏するだけならば
小学生でも
できるぐらい
簡単だけども
「ピッチ(音程)、外すなよ」
の要求は
鬼ほど難しい。
どれぐらい難しいのか?というと
管楽器、
クラリネット、サックス
トランペットとか、は
同じ温度、湿度で吹いていても
条件で
音程がだいぶかわってくる。
コンサートホール
青森市でいうと
リンクステーションホールか?
舞台の上で
強烈な照明にさらされて
吹いていると
当然、演奏中に
ピッチ(音程)が
狂ってくる。
はたから見たら気づかないのだけれども
んー、そうだ
ピアノを前にして
ソ と
ソ のシャープ(黒鍵)
の違いぐらいは
小学生でもわかる
と思う。
では、演奏する
にあたって
ソ と
ソ のシャープ(黒鍵)
の違いに
留意しながら
100 分の1の精度で
ハーモニー合わせてください、
って
言われたら
普通の人は
アタマ狂う
と思う。
強迫神経症の世界だからである。
コープランドの
アパラチアの春
か。
アマチュアが
自己満足で
演奏する分には
まったく問題ないけど
まちがえたら
「あっ、(察し)」
と聴いてる小学生ですら
バレてしまうほどの
難曲である。
オーボエ吹きに
とっての
「白鳥の湖」
のようなモンです。