セイコー生へ 〜新宿での話〜

坂本一亀という人物を
知っているセイコー生は
マレであろう。

浪岡中学校イジメ自殺事件の
元凶 鎌田だいすけ一家から
逆ギレされて
一方的に
名誉毀損だとうったえられ
一方的に
名誉毀損の訴えを取り下げられたのが
昨年の3月。

あの頃に
新宿を歩いていて

ふと、昔を思い出した。
それからもうすぐ1年たつ。

もう30年も前の話だから
セイコー生むけに
告白しても良いと思う。

1995年に新宿で初老の紳士と知り合った。

これはセイコー生の特権というか
青森育ちの人間の特権だが

セイコーの
偉大なる先輩
寺山修司
について

短歌にしても
演劇にしても
あれは
青森県人にしかわからない
部分が沢山ある。

ふるさとの
訛りなくせし
友といて
モカ珈琲は
かくまで苦し


これなんかは
東京に出てきた
青森人ならば
必ず経験するハナシだし、

亡き母の 
真赤な櫛を
埋めにゆく 
恐山には
風吹くばかり

これ、寺山修司の母親が
存命中に創った詩で

セイコーの国語教師が
「テラヤマぁ、
おめ、こったらだこど
書けば
マイネっきゃあ!」

と窘められたハナシも
当時のセイコー生ならば
知っていた。

メガシティであるばかりではなく
新宿は近くに
早稲田大学があるし
(寺山修司は病気で中退してる)

あの人の作品の
「なぜ?」には
割とポンポンと
「こうだから」と
説明して

相手が「なるほど」
ってとこまで
言えるぐらいの
知識、感性、能力は
あったから

とにかく新宿では
タダ酒には困らなかった(笑)

そんな中で知り合ったのが
彼なわけだが
よく二人で散歩した。

「レオナくん、坂本一亀って
知ってるかい?」

「いいえ、知りません」

ここからハナシはスタートする。

坂本一亀(さかもとかずき)は
河出書房の
伝説的な編集員である。

「この人が平岡公威を
見いだしたんだよ、
あ、世間では
三島由紀夫で知られてるね(笑)」

「彼がいなかったら
三島由紀夫の
仮面の告白
は世に出なかったし
作家 三島由紀夫は
誕生しなかった。」

これをきいて
「へぇーー」と
唸ったものである。

当時のワタシは
ハタチのガキだから
しかたない(笑)

「そして彼の息子が
坂本龍一だよ」


さすがにこれには
驚いた。

映画「ラストエンペラー」の音楽
担当した人ですよね?

と切り返すのが精一杯(汗)

彼は「ふふ」と
はにかみながら続けた。

「坂本龍一はここ出身だよ」
と散歩中にいわれたのが
都立 新宿高校のまんまえ(笑)

「新宿高校に在学してた頃から
自作のスコアみせて
池辺晋一郎をして
『このままでも藝大受かるわ、これ』と
言わしめたほどの天才ですよ
彼は。そのあと東京藝大いって
YMOやりましたけどね」


いやー、世の中には
こんなにも博識な人が
いるものだと感心した。

なにより
優しくて
品がよくて
紳士的であった。

彼が亡くなってもう、だいぶたつ。

坂本龍一もお亡くなりになった。

ワタシは残り時間あと
10年だと思っている。

ワタシは
寺山修司でもなければ
坂本龍一でもなければ
三島由紀夫でもない。

けど
頑張れば
坂本一亀には
なれるんじゃないか?

と頑張って生きてきた。

優れてる人
才能ある人

見いだし
励まし
応援するのが

ワタシの性には
合っている。

もうすぐ
共通テストだ。

セイコー生のみなさん、
健闘を祈っております。

オーサカより
記す。

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