大学の単位認定よもやま話1
ちょうど多くの大学で定期試験が行われている時分です。
なぜ大学に行くの?
→単位を取るため! そう自動思考的に反応する大学生がたくさんいそうな話題です。
この話題は1回では書ききれないほどの思いがあります笑
抑えながら、でも正直に、あまりオフィシャルには言えないことを
思いついたとき、数回にわけて独白します。
成績発表は運命のとき?
単位が出るかどうか。それは学生にとっては死活問題です。
いたって不真面目学生だった私は、できない学生の気持ちがよーーくわかります。
半期完結科目ならまだしも、通年科目での落単ほど落胆することはありませんよね。
まさに絶望的な気持ちになります。1年の過ごし方にかかわりますから。
当時、大学教員は気楽でいいな、くらいに思ってました。
大間違いでした!!
単位認定のプロセス、大学教員には、とってもとっても悩ましいことなんです。
学生側の体験
まずは学生側の体験からレビューしてみます。
日本の大学生の場合、2学期制か3学期制かにもよりますが
9月や3月などの区切りの時期に、成績表という形で結果を確認します。
そこで学生が目にするのは
0点から100点を推移する「数字(点数)」と
「可か不可か」、つまり60点以上か以下かという、きわめてシンプルな情報です。
「出席してないのにラッキー!」
「あんなに頑張ったのに,なぜ?!」
「まあ,こんなもんか」
感想はさまざまですが、要は単位が取れたかどうかが一番重要なわけです。
そしてひとしきりの喜びや落胆のあとに訪れるのが
「なぜ??」という問いではないでしょうか。
実は学生の「なぜ?」に応える仕組みは、あまり機能していないように思います。
また、学生の答えと教員の思いはたいていズレているとも思います。
これについてはまた別の機会に。
教員側の体験
次に、大学教員側の体験をレビューします。
大学にもよりますが、だいたい2~3か月くらい前には試験問題を作成し、事務に提出します。
授業の6~7割時点ですでに試験問題は提出しているんですね。
何を出題したか忘れたころに最終回が訪れます。
私、いくつかの大学を経験していますが、どこの大学でも風物詩だなぁと思うことがあります。
最終回だけ「こんなに人数いたっけ?」(笑)
見たこともないような顔の学生が、わんさか試験のことだけ聞きにきます。
まあそれはそれで。いろんな生き方がありますからね。
で、私としては。
最終回に試験のことを何も言わないのも酷だし、すべて言っても意味がないし、
(たまに覚えていなかったりもするし・・)
と、ここでひとつ悩ましい体験があります。
私は、出題形式(穴埋め・選択式で何題か)と論述の内容(〇個のうち1つ出題)は伝えるようにしています。
私が学生のときは、本当に何も、何一つ言ってくれない教員が複数いました。
私それで何度も死にました。。
ずいぶん親切な教員だなあと、自画自賛です。
そして試験の日が訪れます。
自分の科目のテストは、だいたい自分が試験監督者になります。
授業しているときよりも、黙って立ちっぱなしの方がかえってしんどいですよね。
授業はないけどなぜか疲れる。それが毎年の試験期間です。
答案をみると、いつぞやの自画自賛はどこへやら。
だいたいコテンパンに打ちのめされます。(別稿で数回書けます)
それでも仕事なので、歯を食いしばりながら採点します。膨大な量です。
あとは数字リストや諸課題とのにらめっこです。
どのラインを見定めるか、判断として妥当か。
もう、この部分だけでも3回分の原稿は書けそうです。
それで今回言いたいことは
大学の単位認定、定期試験は学生目線だけでなく、教員目線でも大変なんです!!
声を大にして言いたい。
元不真面目学生です。
正直な話、できれば全員に単位認定したいんです。
「どれだけ落としてやろうか・・」
とほくそ笑みながら授業や試験をする教員は、たぶんいないです。
現代の大学教員はそんなに暇ではありません。
やること盛りだくさんで、できれば再履や追試なんて一人も出したくはないのです。
かといって、社会への説明責任や評価の公平性は保ちたいし、
頑張った学生とそうでない学生もちゃんと見極めたいしで
あまりいい加減なこともできない。
その相克に苛まれてヤキモキとした孤独な時間を過ごすわけです。
(これも数回分は書けそう)
無情にも、採点から成績提出までの時間はごくわずか。
どこかで何かの決断を出さないといけない。
いつも悩みながら、学生の体験を思い浮かべながら、
ひとりで「ウーン・・」とうなりながら、「可か不可か」の線引きをしています。
(実際はそれだけじゃなくてGPAの線引きとかも諸々考えるわけですが)
たぶん、大学教員がこれだけの苦悩を抱えていることとか、葛藤解決するプロセスって、誰にもわからないですよね。
(わかる必要もないですし)
学生には「可か不可か」、 そして淡白な「点数」のみが、これまた数か月後に届くわけです。
たくさん言いたいことのある話題です(笑)
ここで書いたような体験は、複数大学の同僚と話して意見の合う話題なので、
私だけではないと思います。
この壮大なテーマの初稿はこのあたりで。
気が向いたらまたの機会に続報を書きます。
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