ぽっちゃり女性の魅力

若い頃は(20代〜30代)痩せてれば痩せてるほど魅力的だと思っていた。
ろくに食事も取らずひたすら黒烏龍茶を飲むようなダイエットをしたこともある。
努力の甲斐あって、30代の頃は、いちばん痩せてたときで42キロだった。
周りには
「スタイルがいい。
スタイルがいい」
と言われていたけれど、それで自分がほんとうに幸せだったのかはわからない。
栄養不足だったのか、ときどきパタンパタン倒れていたし、これもまた栄養不足だったのか、今の数倍ヒステリックだったようにも思う。
そして、いちばんよくなかったことは、身近な太った人を見下していたことだ。
わたしは単なるダイエット中毒の性格ブスだった。

今のわたしの体重は、56キロ〜59キロといったところで、身長が156センチしかないから、まあまあな太めだと思う。
かつてのわたしだったら、狂ったように過激なダイエットに飛びつくだろう、そんな体型だ。
けれどわたしは今の自分の体型に満足している。
あと2、3キロ太っても、さほど気にしないだろう。
5キロ太っても気にしないかも知れない。

シャワー上がりに、なにも着ないでベッドの上で扇風機にあたるとき、なんとなく自分の身体を見る。
まるまるとした太もも、ぷっくりしたお腹、うん、たっぷり肉がついている。
それを見て、思う。
「ルノワールの描いた裸婦のようだ。
スレンダー女性にはない魅力がある」
皮肉ではない。
ほんとうに、そう思っている。

今日、グループホームの世話人さんが、タンクトップ姿のわたしの二の腕を触って言った。
「まあ!ピチピチして!
なにか塗ってるの?」
なにも塗っていない。
いい感じに太ってるから、お肌にハリがある、それだけだ。

わたしの感覚は変わった。
今のわたしは、周りの太め女性、周りのぽっちゃり女性に、たまらなく魅力を感じるようになった。
健康的に太っている女性の魅力、それは曲線美と肌の美しさだ。

女性たちに思う。
そんなにダイエットのことばかり考えないでほしい。
どんな体型にも魅力がある、なんて極論は言わない。
けれど、ぽっちゃり女性にはぽっちゃり女性の魅力がある。
それは、ほんとうのことなのだ。
高カロリーでも美味しいものを、たまにご褒美に食べるといい。
疲れているときは、甘いものでも食べるといい。
そのことで笑顔が生まれたら、あなたは今、とても美しい。


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