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虐待・DVと機能不全家庭(家族)

アダルトチルドレンを語る時、順を追ってお伝えすべきなのですがこれは早目に知っておいていただきたいと考え、この記事を書くことにしました。

アダルトチルドレンを生み出す環境、これを「機能不全家庭(家族)」と言います。
文字通り「家庭(家族)」が機能していない状況です。

例えば…

・アルコールや薬物、ギャンブル等に依存する家族がいた家庭

・親と子どもの立場が逆転していた家庭(親が常に介護が必要な状態、或いはうつ病等の精神疾患による)
※きょうだい・きょうだい児、ヤングケアラーなど

・親が情緒不安定だった家庭(突然怒りを爆発させる、口より先に手が出るなど)

・離婚や死亡によって親を失う経験があった(強烈な喪失体験)

・他の子供や兄弟姉妹と比較が多い家庭

・子供に対して身体的・性的・心理的(否定、無視、放置など)虐待があった家庭

・親が不在がちだった家庭(親が仕事中毒で家庭を顧みないなど)
・親が不仲だった家庭(常に喧嘩が絶えない、DVなど)

・愛情や感謝の無い冷たい感じの家庭(顔を合わせても挨拶などがないような環境)

・子供が親からの過保護、過干渉にさらされるような家庭(溺愛し過度の甘えを許す等、親の期待が大きかった)

・他人の目を気にする、外面(そとづら)が良い家庭

・親の愚痴やお説教が横行し、過度に批判的、審判的(決めつけ)で子供ののびのびとした発想をつぶしてしまう家庭など…

「親ガチャ」「毒親」などという言葉でも表現されるように、機能不全家庭を簡単に説明するとこんな家庭のことを言います。

『子どもが安心できない、緊張した時間を過ごしがちだった家庭』

子供が子供らしく居られない、子供がオトナのふりをしなければならないような環境です。

これらアダルトチルドレンを生み出す環境とは、愛情を注がない(注げない)ことから子供の自立心ややる気、自己肯定感を育むことが出来ず、常に他人の顔色を窺いながら嫌われないように、見捨てられないように生きる癖がついてしまい、結果的にそれは良い人間関係を築くことが出来ず「生きづらさ」という形でオトナになってからココロの病など表面化します。


このような機能不全家庭・毒親の元で育つ子供の共通点として挙げられるのは、子供らしく居ることが許されなかった・子供であるにも関わらず、オトナのようにふるまうことで自分を守っていたという点です。

一方で子供のココロというモノも感じていて、愛されたい・認められたいという想いもココロの中にあります。

ですがそれを正直に表現しても受け入れてもらうことが出来なかったり否定されてしまうことで、 それ以上傷付きたくない・嫌われたくないとの想いから本来の自分が感じたり望んでいる事を口に出す事無く、ココロの奥に抑え込むようになります。

このような状況が続くと自分は何も出来ない、自分は何の役にも立たないなどと感じて自分の存在価値を疑ったり、自分は何をしたいのか、どうしたいのかが分からなくなってしまい、オトナになってその苦しみ(生きづらさ)を抱えることになってしまいます。

しかし子供の頃に感じた寂しさや悲しさといった正直な想いは、インナーチャイルドとなってココロの奥底にずっと残ります。

機能不全家庭で育つということは、本来の愛情を知らず、常に愛情を求めるような生き方になります。

ヒーリングフォレストを訪れる方の中で、夫婦や恋人、パートナー等との関係に問題を抱えて相談にいらっしゃる方の多くは、相手から「愛されたい」という想いがあるのですが、そこに問題が隠れていることに気付いていません。

なぜ気付けないのか。

それは「本当の愛情」を知らずに育って来ているので、少しでも相手から求められ、相手の求めに応じて喜んでもらえることが「自分の存在価値」だと思い込んでしまい、自分を犠牲にしてでも相手に尽くそうとする「歪んだ関係」を築いてしまうからです。

このような依存傾向がある人は、そのパートナーも似たような傾向をもった人を選びがち、ということはこれまでのカウンセリング経験から感じていることです。

いわゆる「似た者同士」ということですが、これは自分もそのパートナーも「機能不全家庭」で育って来た、ということを意味しています。

「似た者同士なら上手くいくのでは?」と思われがちですが、お互いに「本当の愛情」を知りませんから、それに似たモノでその関係性を維持しようとします。
(恋愛依存やSEX依存などはその「似たモノ」に当たります)

ですがお互いに求めるだけで与えることをしないため、或いは自分を犠牲にしてでも与えることを続けるため、始めのうちは良い関係であってもやがて、一緒に居るのがつらくなってしまいます。
「認めてもらえている」と思い込んでいる相手と離れることの方が怖いため、つらくてもその関係を続けることになってしまい、やがてDVや虐待へと移行します。

どこかでこの依存関係や傾向に気付いて、自分と向き合うことをしない限り、このような関係を繰り返してしまうことにもなります。

これが虐待や機能不全家庭の世代間連鎖につながっていきます。

依存関係についてはまた改めてお伝えしますが、この世代間連鎖を断ち切るためにもココロ辺りがある方にはぜひ、早めに専門のカウンセリングを受けることをお勧めします。


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須藤 勝則
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