Renga Matsunami

スコッチは何がよろしいでしょうかとバーテンダーが尋ね、カティサークと僕は言った。銘柄なんてべつになんだってよかったのだが、最初にカティサークという名前が頭に浮かんだ。 村上春樹著 「ねじまき鳥クロニクル」第1部より

Renga Matsunami

スコッチは何がよろしいでしょうかとバーテンダーが尋ね、カティサークと僕は言った。銘柄なんてべつになんだってよかったのだが、最初にカティサークという名前が頭に浮かんだ。 村上春樹著 「ねじまき鳥クロニクル」第1部より

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乱歩じゃないよ!アラン・ポーだよ@「モルグ街の殺人(1841)Edgar Allan Poe

あらすじ19世紀パリ。モルグ街のある屋敷にて、母と娘が遺体で発見される。荒れ果てた室内で、母は身体を切り裂かれ、娘は暖炉に力ずくで押し込まれていた。密室から犯人がどう逃走したのかも分からない。 特異な分析能力を持つ、C・オーギュスト・デュパンは事件に関心を持ち、警察とは別に捜査に乗り出す。デュパンの友人である私も助手として現場に向かう。さて事件の真相は? 世界初の推理小説らしい「モルグ街の殺人」は世界初の推理小説と言われている。本作で名推理を披露するC・オーギュスト・デュ

    • ラストシーンは『ハートカクテル』風に@「賢者の贈り物」(1905)O. Henry

      あらすじクリスマスイブ。妻(デラ)は愛する夫(ジム)へのプレゼントに頭を悩ませている。その手には、ほんのわずかなお金。悩みぬいたあげく、妻は自慢の長い髪を売り、そのお金で懐中時計用の鎖をプレゼントに選ぶ。帰宅した夫は髪を切った妻からのプレゼントにどんなリアクションをするのか… 『ハートカクテル』とコラボして欲しい♡唐突だが『ハートカクテル』という作品をご存知だろうか?1980年代を中心に漫画雑誌「モーニング」に連載されたアーバンなラブストーリーだ。(表現古っ!) 当時、高

      • 厳寒のユーコン川をワンチャン歩き通せるか?@「火を熾す」(1908)Jack London

        あらすじ採鉱場へ向かう仲間たちから外れ、男は単独で厳冬のユーコン川を移動する。連れ添うのは一頭のエスキモー犬のみ。男は襲いかかる自然の猛威とどう闘い、どう決着したのか。 ユーコン川って耳にしたことある!舞台であるユーコン川については聞き覚えがあった。カナダのユーコン準州とアメリカ合衆国のアラスカ州を流れる河川。カヌーやカヤックの聖地という印象が強い。 アウトドアブランド「mont-bell」の店舗で、野田知佑さん(カヌーイスト)の書籍を販売しているのを目にしたことがある。

        • 眠れるアメリカ文学たちをゆり起こす時が来た

          1.はじめに既読、積ん読含めてアメリカで書かれた長編、短編小説が僕の本棚で埃をかぶっている。ここ数年、完読するのは池波正太郎、藤沢周平といった日本の時代小説ばかり。海外文学は書店で衝動買い→前半をつまみ読み→本棚で仮眠という状態が続いているからだ。 子どもの頃から海外文学は好きなのだが、人名や地名が身近ではないだけに本腰で読まないと単なる文字追いになってしまう。ほろ酔い気分で飲んでいる缶ビールのラベルを見たら、ノンアルコールだったみたいな感じだろうか。(実際にそんな経験をし