え、飛騨高山、行くの?
「そうだ、自転車で、京都行こう。」のアナザーストーリー
1 きっかけ
令和6年(2024)4月24日(水)
「そうだ、自転車で、京都行こう。20 加納宿〜垂井宿」の終盤、垂井駅から輪行で、12:26発の大垣行きに乗り、大垣駅で乗り換え、岐阜駅から特急ひだ11号で美濃太田駅に13:29に到着しました。
駐車場のある北口を出て、自転車を置いて、リュックから車の鍵をと思った瞬間、リュックを車内に置き忘れたことに気づきます。特急ひだ11号の客室の荷物置き場に輪行バックに入れた自転車を縦に置き、通路に立って支えていたため、リュックを荷物置き場に置いてしまったことが失敗でした。
慌てて、改札脇の窓口に戻り、駅員さんに事情を説明しました。高山止まりの車両でよかったですと言われました。車内検索するのに30分から1時間はかかるので、お電話しますからお出かけいただいても大丈夫ですよとのことでしたが、心配で改札前のコンコースで待ちます。
30分後、見つかったと電話がありました。終点の高山駅まで取りに行かれるか、着払いで送るかになりますと案内があり、取りに行かれる場合は窓口に来てくださいとのことでした。
窓口に行くと最も早い高山行きの列車の案内があり、戻りの列車は最終列車になるとのことでした。取りに行くにも往復の切符が必要になります。往復の乗車券・特急券合わせて、7,680円。ホテルも高速代の節約もこのために役立ちました😢
2 出発までの時間
次の高山行きは、15:30発ひだ13号、まだ1時間20分あります。昼食もまだですが、お風呂に入りたいと思い、日帰り温泉や銭湯を検索しますが、銭湯は近くにあるものの営業は17時から、日帰り温泉等は歩いて行ける範囲にありません。駅員さんの許可を得て、輪行バックの自転車は、コンコースの手すりにチェーンロックしておきます。
北口側は住宅街なので、南口を出て、南に進みますが、大通りまで行っても開いている飲食店はありません。駅まで戻ると、駅前に「かふぇ花笑み」という喫茶店を発見しました。入口のボードにナポリタン、焼きそばなどの軽食があることが書いてあり、この時間に開いているのですかさず入りました。
先客は一人だけで、常連さんらしく、マスターと話していました。ランチタイムは、過ぎてしまっていたので、ナポリタンとレギュラーコーヒーを注文します。
しばし待つと「鉄板熱くなってますので、気をつけてください」と鉄板に玉子がひかれ、具はソーセージと玉ねぎ、パセリの乗った懐かしの鉄板ナポリタンが運ばれて来ました。
量は、控えめで、甘めの懐かしい味で、美味しかったです。
食後のコーヒーは、アーモンドチョコレートとあられの入った小皿が付いています。さすが名古屋文化圏、コーヒーもすっきりした苦味で美味しかったです。
懐かしの鉄板ナポリタンと名古屋珈琲文化に出会うことができました。
駅に戻り、ホームで、電車を待ちます。
3 ひだ13号の旅
15:30発特急ひだ13号に乗ります。平日のこの時間なので、自由席は空いています。自転車がないので、ゆっくり座ることができました。
特急ひだ13号は、8両編成で、前方8〜5号車が富山行き、4〜1号車は、高山止まりです。さっき乗って来たひだ11号も同じ編成です。
車両は、ディーゼルハイブリッドで、ブレーキ制動時の回生エネルギーをバッテリーにチャージして、加速時にモーターでアシストする仕組みになっています。車内放送でも案内がありましたが、客車内にエネルギーパネルも設置されて、まるでプリウスのようです。
車内放送では、沿線の名所案内もあります。
発車してまもなく、右側を流れる「飛騨川」の案内がありました。右側に座る方が多いのは、川沿いの眺めを楽しむためと納得しました。
次に「飛水峡」の案内があり、せっかくなので、空いている右側の席に移動しました。しばし変化に富んだ渓谷美を楽しみます。川面の水が翡翠のようで、見事でした。
飛騨川沿いの谷を縫うように電車は進んで行きます。高山に行くのは、小学生か中学生の頃の家族旅行以来、40数年ぶりです。遠かったことしか、記憶にありませんでした。
谷が大きく開け、川幅も広がり、街が見えて来ます。下呂温泉が近づいてくると、「下呂温泉は、草津温泉、有馬温泉とともに日本三名泉と呼ばれています」と車内放送が流れました。よくある「三大◯◯」と思い、調べてみました。すると室町時代の相国寺の僧・万里集九が「梅花無尽蔵」の中で、「三名泉」と記していることがわかりびっくりしました。
16:29下呂駅に到着です。ホームには「手湯」があります。
子供の頃、家族旅行で下呂温泉に泊まることになった時、下呂温泉の名前も知らなかったので、弟と下呂、下呂と大笑いしてたのを覚えています。
久々野駅を過ぎるとトンネルがあります。車内放送で、宮トンネルは、高山本線最長のトンネルで、長さ2,088m、トンネルの真上の宮峠が分水嶺になっていると案内があります。
トンネルを抜けると盆地に沿って大きくカーブを描いて進んで行きます。
高山市一之宮町は、飛騨国一之宮、水瀬神社があることに由来しています。水瀬神社は、「夜明け前」の主人公、青山半蔵のモデルとなった島崎藤村の父、正樹が明治維新後、家督を長男に譲り、宮司となった神社です。小説では、かなり山奥の辺鄙なところと描かれていましたが、今もなお、美濃太田駅から特急で1時間かかる場所なので、当時の不便さが想像できます。
4 飛騨高山でのわずかな滞在
17:13 高山駅に到着しました。
改札口で、ひだ13号に忘れたリュック取りに来たことを伝えると改札脇の事務室に用意されており、引渡しの書類に署名して、無事に戻って来ました。これで一安心です。
帰りの列車は、18:48発のひだ20号、名古屋への最終列車となるため、改札に大きく時間が表示されています。帰りの列車まで、1時間半、荷物も戻り、着替えもあるので、銭湯に行くことにしました。
銭湯は、高山陣屋のすぐそばなので、外観だけでも見て行こうと思います。
5 高山陣屋
高山陣屋は、江戸時代中期に飛騨地方が幕府の直轄地(天領)となり、その支配のために代官(後に郡代)が任命され、その役所と役宅として設けられたものです。高山陣屋は、江戸時代の主要建物が残る貴重な史跡です。
高山陣屋を一周し、陣屋の西南角に戻ります。駐車場と民家の間に旧陣屋稲荷宮境内地があります。陣屋稲荷宮の社殿や鳥居、灯籠は、大正3年(1914)に一本杉白山神社に移され、現在は忠義な飼猫の霊を祀った「根古石(猫石)」が残るのみとなっています。
6 ゆうとぴあ稲荷湯
17:35 ゆうとぴあ稲荷湯に到着です。
観光地の銭湯は、やはり混んでいます。外国人観光客が多いためか、入墨OKなのが珍しいです。
入浴料は460円、大小タオルのレンタルとボディーソープ、リンスインシャンプーのついた手ぶらセットをつけて、合計680円です。
温泉ではありませんが、地下から汲み上げた超軟水を沸かしているとのことなので、アルカリ泉のようなお湯の柔らかさを感じられます。浴槽はあまり大きくありませんが、主浴、漢方薬湯(一人分)、ぬる湯ジャグジーとあります。入浴料だけで入れるサウナもありますが、水風呂はありません。汗を流し、疲れを癒やしました。リュックが戻ったので、サイクルウェアからジャージに着替え、靴も履き替えました。
7 高山のまちで
発車時刻まで30分弱なので、街並みを見ながら駅に戻ります。ゆうとぴあ稲荷湯のすぐ南側の道が陣屋稲荷宮の合祀された一本杉白山神社の参道になっています。
駅前広場まで戻ると何やら音色が聞こえます。一人の男性が丸い金属の楽器を手で叩いて演奏する路上ライブをやっています。
8 ひだ20号での帰路
夕飯は、時間がないので、車内で済ませたいと思っていたら、売店で駅弁を売っていたので、購入してホームに向かいます。
ホームに行くとひだ20号は、富山から来る4両編成に高山発の4両編成をホームで、連結します。
18:48 ひだ20号、連結を終えて、高山駅を出発です。平日の名古屋行きの最終なので、自由席の車内も空いています。
高山駅で購入した駅弁で夕食です。
飛騨路わっぱ弁当は、野菜の煮物中心のさっぱりした弁当で、冷めていてもとても美味しく食べられました。駅弁は、その地域の特色が詰まっていて楽しいです。
帰りの運転に備えて、寝ようと思いましたが、目が冴えて眠れません。せっかくなので、この旅もnoteに書いてみようと下書きを始めます。
20:21 美濃太田駅に到着です。
9 ようやく帰路に
改札に忘れ物の連絡等をしてくださった駅員さんがいたので、無事リュックが戻ったお礼を言って改札を出ます。改札前のコンコースに置かせていただいた自転車を忘れずに回収して、駅舎を出ます。
外は完全に雨なので、昨日、ダイソーで買ったポンチョが役に立ちます。自転車を置いて、駐車場に車を取りに行きます。24時間料金なので、1日分で間に合うかとも思いましたが、2日分料金を払っておいてよかったと思いました。
駅に戻り、自転車を積んで、家路に着きます。明日は、仕事なので高速で帰ることにします。
東海環状自動車道美濃加茂ICから中央自動車道、長野自動車道、上信越自動車道、北関東自動車道と乗り継いで帰ります。
途中、2か所で、霧の濃いところがあり、1か所は、表示が出ていましてが、もう1か所は表示もなく、視界が20〜30mで、こういう時は道路設備の整った高速は安心です。
日付も変わって、午前1時30分、無事自宅に到着しました。家族は、犬も含めて、熟睡してました。
街道旅からの思いがけずの40数年ぶりの飛騨高山でしたが、いずれまた、ゆっくり行ってみたいと思いました。