物理と化学の選択はどちらがいいのか?【現役東北大生視点】
はじめに
物理と生物は大学入試などほとんど意識できていない高校1年生のうちに選ばなければならない、理系にとっては避けては通れない重要な問題だと思います。
私は現役時に物理を選択しました。
現役時になぜ物理を選択したのか、選択した結果どうなったのかなど踏まえて詳しく解説していきたいと思います。
是非結論だけでも参考にしてください。
これから話すのは国公立大学に多い2次試験で科学を2種類必要とする受験方式を前提とします。私立には科学1種類入試も多いため、あまり選択が重要でない場合もあります。
物理・生物選択の基準
(Ⅰ)行ける大学・学部の違い
恐らく物理生物の選択において最も大きなファクターだと思います。実際自分も現役時はこの観点から物理を選択しました。
前提として物理選択の方が行ける学部が多いです。
東北大学を例に挙げるのであれば、工学部と薬学部は生物選択では行くことができませんが、物理選択で行けない学部はありません。
特に薬学部は人体に関係することなのに、物理選択でしか行けないことは意外に感じる人も多いかもしれません。
私は高校1年生のときは、行きたい学部がはっきりと決まっておらず、強いて言うなら薬学部かなと考えていたので、選択肢を減らさないように物理を選択しました。
工学部や理工学部を志望する場合は物理を選択するべきですが、逆に工学系に興味が薄いのであれば生物選択でも問題ありません。
(Ⅱ)点の取りやすさについて
点の取りやすさについてはかなり主観が入ってくることをご了承ください。しかしながら、自分が受験勉強をして実際に感じたことですので参考になると思います。
点の取りやすさの基準については共通テストを引き合いに出して考えたいと思います。(2次試験を参考にしない理由→自分が物理選択でしか受けられない工学部を受験したこと。大学ごとに出題の傾向が異なる。)
当然ですが共通テストの作成には多くの人が関わり調整されているので、平均点が大きく異なることはないはずです。
しかしながら、点数の分布については差があると感じています。
図には自分の思う得点分布を示しました。(レポートに載せたら大目玉を食らいそうな表ですが、許してください。)
つまり物理は、あるラインを超えるとかなりの高得点をある程度安定して点をとることができるが、逆にあるラインを超えるまではなかなか伸び悩むことになると思います。(この得点の分布が物理はセンスが必要と考える人が出てくる理由だと思います。このことについてはまた詳しく書きたいと思います。)
生物はやればやるだけ点数が正直に表れてくる科目です。
そのため、点数の安定性は物理に比べてかなり高く、時間をかければきちんと高得点を狙うことができると言えます。しかしながら、重箱の隅をつつくような問題が必ず数題は出るので満点を狙うのは難しいです。
(医学部志望には浪人覚悟で生物を選択する人もいるようです。)
(Ⅱ補足)必要な勉強時間について
私は現役時に「物理は暗記が少ないから、生物よりも勉強時間が少なくて済む。」と聞いたことがありますが、それは大部分で間違いだと思います。
確かに物理は暗記量が少ないですがその分、演習を積まなければ点数がろくにとれません。
(確かに学年に数人は教科書を読んだだけで応用問題であろうと解けるような人はいます。そういう人にとっては勉強時間の少なくて済むような科目ですが、基本的にはそんなことはありません。)
(Ⅲ)好き嫌い・得意不得意
この観点は少々幼稚に感じるかもしれませんが重要なものです。
特に物理は苦手意識を持つ人が多いです。
私の高校のカリキュラムでは1年生のうちに物理基礎と生物基礎の両方を受け、秋頃に2年生からどちらを選択するのか決定するような形でしたが、同級生の中には物理が肌に合わないから生物を選択すると言う人が少なからずいました。
実際わたしも、はじめての試験では生物の方が点数が高く、物理に自信がなかったため生物を選択しようとしていました。
私の個人的な所感としては、物理の苦手は克服可能です。
しかしながら、苦手科目を大学受験までの間、学習することはかなりの苦痛だと思います。(私も物理で点が取れるようになるまでは「本当に物理を選択して良かったのか?」などと不安が頭をもたげました。)
補足(大学に入ってから)
生物と物理が利用可能な学部の場合、大学に入ってからどちらが楽かについて言及する人がいますが、両方で受験できる時点でどちらかを選んで明確に不利になることはありません。
ただ、物理が苦手なら「どうせ大学に入ったら、両方ともある程度は勉強しなければならない。」と割り切って物理を選択するのはありだと思います。
結論
自分の志望する大学や学部が物理あるいは生物でしか受けることができないのであれば、問答無用でそちらを選択する。
高得点を狙うのであれば物理と生物に勉強時間や難易の差はほとんどない。そのため、物理に苦手意識がないなら受けられる学部の多い物理選択がおすすめ。
苦手意識があるなら生物を選択するのが無難。(個人的には物理の苦手は克服可能)
最後に
ながながと自分なりの考え方を書きましたが、結局は自分で納得した方を選択することが大切だと思います。自分で決めることで伸び悩んだときによりどころにすることができ、迷いが少ないと思います。
また、なかなか踏ん切りがつかないときは基礎科目(物理基礎・生物基礎)をきちんと受けることが重要だと思います。
基礎科目を受けることで、どんな学問なのかをある程度把握し、不得手などを確認できると思います。