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原口健飛がGLORY王者になるまで

 今月(2024年7月)の28日に、朝倉未来vs平本蓮がメインイベントの超RIZIN3がさいたまスーパーアリーナで開催されます。
 先日、取引先の人からもこの話題が出たので、格闘技界をはみ出して世間にも少しは届いているのかなあとか思ったりしています。

 そして、26日からはパリオリンピックが開催されます(競技は24日から)
しばらくはオリンピック関連のニュースが増えるでしょうね。

 そんな中、20日(現地時間)に、決して地上波のスポーツニュースには取り上げられることのない、キックボクシングというジャンルで、日の丸を背負い、遠くオランダ(ロッテルダム)の地で戦う青年がいます。

 超RIZIN3もLIVE BOXING9もパリオリンピックも全て楽しみですが、僕個人としては1番楽しみな試合
「GLORY世界フェザー級タイトルマッチ ペットパノムルンvs原口健飛」
について、心にうつりゆくよしなしごとを、そこはかとなく書きつくってみました。

 独断と偏見と暴言と戯言です。
 僕個人の主観や妄想多めです。
 悪しからず。


原口健飛のRISEデビュー


 原口健飛のRISEデビュー戦は遡ること約7年前。
 2017年11月23日にTOKYO DOME CITY HALLで開催されたRISE121になります。

 現王者だと原口よりRISEデビューが早い選手は誰もいません(上位ランカーだと、直樹、北井、チャンヒョン、ソンヒョン等)
 原口もいまや古参グループです。光陰矢の如し。

 前年(2016年)、前代未聞のRIZINデビュー(12月29日と大晦日のダブル出場)を飾った那須川天心の勢いはとどまることを知らず、この大会の前月(2017年10月15日)には地上波で試合が生放送されました。
 残念ながらキックではなくMMAでしたが。

 この当時、那須川天心は旧KNOCKOUT、RIZIN、RISEと3団体に出場していたのですが、主戦場のRISEだけリアルタイム配信・放送がありませんでした。
 今でこそ、様々なキック団体の興行をリアルタイムで視聴することが出来ますが(U-NEXT様本当にありがとうございます)、この当時は新生K-1と旧KNOCKOUTくらいだった記憶です。
 しかし、Cygamesが那須川天心とスポンサー契約を結んだこともあり、おそらくこの大会が天心のリアルタイム配信・放送がない最後の試合になるだろうと思い、有給を取得して観戦しに行くことにしました。

 余談ですが、サーバルさんはこの大会の約半年前に開催されたRISE117が那須川天心の後楽園ホールでの最後の試合になるだろうと思い、村田諒太vsエンダムを蹴ってRISEを選択しました(実際、最後になった)
 サーバルさんだけはガチ。

 閑話休題

 リアルタイム配信・放送がない最後の試合ということともう一つ、那須川天心の試合にとって最後だったことがあります。
 それは天心の試合がメインイベントではなかったということです。
 キックボクシングの大会で天心の試合がメインイベントではなかったのはこの大会が最後です。

 メインはこの年、10年ぶりに復活した
 DEAD OR ALIVE -57kg TOURNAMENT 2017の決勝戦。
 優勝したのは内藤大樹。

 原口のRISEデビュー戦の相手はその内藤でした。

 
 原口はプロデビュー2戦目で関西の格闘技団体ACCELの第2代フェザー級王者に輝きます(ちなみに第3代王者は、現在K-1で活躍中の兼田将暉

 そして、優勝すればDEAD OR ALIVE -57kg TOURNAMENT 2017の出場権が得られる第3回JAPAN CUP(RISE、SB、ホーストカップ、正道会館、新空手などの立ち技格闘技団体より推薦されたトップアマ選手が参加する大会。プロ戦績3勝までの出場可)に出場して優勝(ちなみにこのトーナメントでプロデビュー前のYA-MANと対戦している)

 原口は同い年の那須川天心の活躍に触発されキックボクシングでプロデビューしました。
 おそらくですが、いつかは那須川天心とやりたい、やれるような選手になりたいという、天心と近い階級の選手ならごくごく普通の目標(その為にRISEに出場したい、その為にJAPANCUPに出場する)を語ったに過ぎなかったと思うんですが

 「那須川天心に挑戦状、突如現れた関西の天才児・原口健飛」
という見出しで記事を書かれてしまいます。
 いつの時代もマスコミは変わりませんね。

 この記事に対して↓

 しまいには、旧KNOCKUOUTの記者会見時に、記者が(確か熊久保さんだった記憶。間違っていたらすみません)那須川天心に対して
「原口健飛という選手が挑戦宣言しているんですけれど、これについてどう思いますか?」
的な内容の質問をします。

 このとき既に各方面から名前を出されていた天心は
「知らないです。なんでもかんでも僕の名前を出せばいいってものじゃない」
 的な答え方をします。

 この記事に対して↓

 JAPANCUP優勝後↓



 僕はこの一連のSNSでの呟きの前に原口の試合を(空手も含め)YouTubeでチェックしていたので、驚くほど強い試合内容とのギャップにすっかりファンになっていました。
 なので、天心の試合と同じくらい原口のRISEデビュー戦も楽しみにしていたんですけれど、1回戦の相手が内藤大樹と発表されたときは、そりゃあんまりだぜ・・・と思った記憶があります。

 内藤大樹は当時SBスーパーバンタム級王者であり、この階級付近での横綱を那須川天心とするなら(1人横綱)、大関に位置する選手です。
 当然、優勝候補大本命。

 いくら原口が注目のゴールデンルーキーだったとしてもキック3戦目で戦うレベルの選手ではありません。
 

 
 しかしここで原口は内藤相手に互角の試合を演じます。
 僕は当時、会場で観てて本戦は若干原口が優勢に見えました。
 今回、久しぶりに見返したんですが、かなり難しい判定だなと。
 本戦内藤も本戦原口もドロー延長も全部ありそうだなと思いました。延長Rは僕も内藤に付けますが、もしトーナメントじゃなければ引き分けでもいいような、そんな拮抗した内容だったと個人的には思いました。
 差をつけるならば、原口が内藤に比べて分かりやすく消耗していたところですかね。
 キックデビュー戦から約2ヶ月でタイトルマッチ。そこから約2ヶ月で1DAYトーナメント。そこから約1ヶ月半でDOA。さすがに疲労も溜まっていたのかもしれないし、この短い間隔での減量はしんどかったのかもしれないし、初めて内藤レベルの選手と戦ったことでの疲労もあったでしょう。
 あくまで僕の独断と偏見です。

 とにかくどえらい選手が出てきたなと思いました。
 その後も強い新人は沢山見てきましたけど、このときの原口の衝撃を上回る選手には今だ出会っていません。
 そもそもキック3戦目で内藤クラスと試合することなんてまずないしね。

 最も警戒していた一回戦を突破した内藤は準決勝で工藤政英からダウンを奪い決勝に進み、決勝ではMOMOTAROからKO勝ちを収め優勝します。

 個人的には原口は内藤以外の6人にはこの当時でも勝ってた可能性が高いんじゃないかなと思ってます。
 たらればですけど、内藤と別のブロックだったら決勝まで進んでいたかもしれない。
 ですが、原口はこの内藤戦の敗北からキックボクシングに対する取り組み方・向き合い方が変わったらしいです。
 それだったら、変に決勝進出するとかよりも1回戦負けで良かったのかなと思います。今の原口健飛の強さの一因になっているとしたら。

 原口はここから約4年間誰にも負けることなく18連勝(1引分を挟む)します。

 ペットパノムルン戦までは。
 

ペットパノムルン1


 それはとても切なく、そしてかつて何度となく見てきた光景でした。


 別の記事でも書いていることですが、僕は現在の日本人キックボクサー(肘無し)のPFPは原口健飛だと思っています(PFPの是非はともかく)

 あくまで僕が勝手に思っているだけのことなんですけれど、何故か某団体に所属していないキックボクサーを褒めると、某宗教団体の過激派信者が自団体の所属選手のプラカードを持って抗議活動をしに来るんですよね。マジで面倒くさい笑

 それはさておき。

 原口は攻撃力、守備力、テクニック、格闘IQ、どれも皆ずば抜けて高い数値だと思いますが(選手以外の能力だと指導力も高いと思う)、特筆すべきは殆ど減量のないナチュラルに近い状態で試合をしているということです。
 原口が興味なかっただけで、本気になればRISE史上初の4階級王者も十分狙えたと思います(57.5、60、63、65kgの4階級)
 なんなら、67.5kgも入れて5階級王者になれたかもしれない。

 でも原口は本当の意味での世界と戦う為に65kgで戦うことを選択しました。 
 GLORYは-65kgの階級から。
 かつてあったBellatorキックは-65.8kgの階級から。
 それより下の階級はないんです。
 欧米が世界だと言う気はさらさらないですが、欧米の団体基準で世界というなら、どうしても65kgは必要なんです。
 その65kgで当時わかりやすく世界一だったのが、ペットパノムルンでした(白人や黒人ではなくアジア人。タイ人恐るべし)

 ペットパノムルンはただのGLORY王者ではありません。
 在位年数約6年(2024年7月現在)
 これはリコ・ヴァーホーベンに次ぐ長さです。

 原口はGLORY王者と試合をしたいというよりは、ペットパノムルンその人と試合をしたかった気持ちの方が強かったんでしょうね。
 
 僕は内藤戦以降の原口の試合は全て原口勝利予想でした。
 初の肘有の試合の対森井洋介戦もまず原口が勝つだろうなと。 
 ですが、このときばかりは流石に厳しいかなと思っていました。

 まず、65kg以上の試合が前戦のタップロン戦が初めて。
 しかも、このときに初ダウンを奪われている。
 首相撲の対処が出来ないという明確な弱点が露呈した。

 タップロンは勿論強い選手だけれど、タップロンに苦戦しているようだと、ペッチにはとてもじゃないけれど叶わない。
 いくら原口といえども2ヶ月足らずで劇的に成長を遂げるとは思えないし。

 原口が納得していることにどうこう言うのはとても野暮だけれど、やっぱり早かったとは思います。
 本来ならばまずはRISEスーパーライト級(-65kg)王者になってから挑戦すべき相手ですしね。
 ただ当時の王者は原口とも親交の深い山田洸誓なので、まずその対戦はあり得ない。
 そして、世界一の選手と試合をするのに自分のタイミングで試合が出来ないなんてことは原口は痛いほど知っているでしょう。
 那須川天心と試合が出来る唯一のチャンスだったRoad to RIZIN KICKトーナメントで優勝したにもかかわらず、RIZIN KICKトーナメントそのものが開催されなかったわけだし。
 ましてや、このときはコロナ渦で約2年間海外からの選手を招聘することが出来なかった中、様々な人に尽力してもらって実現した試合だしね。
 
 失礼承知で続けて言わせてもらうと、内藤戦とペットパノムルン戦1に共通しているのは、当然勝つつもりではいるけれど、やっぱりどこか胸を借りるつもりで挑んでいたところがあったと思います。
 あの時の内藤は、那須川天心にリベンジするただその1点のためだけにトーナメントに出場していました(優勝者にはどの階級のRISE王者にでも挑戦出来る権利が与えられた)
 絶対負けられなかったはずです。

 そして、ペットパノムルンはまごうことなき世界一の選手です。

 彼らに勝つためには安西先生が仰った、断固たる決意が必要だったと思います。

ペットパノムルン2


 この試合こそ、早かったと思います。
 前回の敗戦からたった9ヶ月。
 その間に勝利したのはロンペットと山崎秀晃。
 当初はザカリア・ゾウガリーと対戦する予定でしたが、来日に必要な新型コロナウイルスワクチン接種をゾウガリーが拒否したため、実現しませんでした。
 その代替えをタイトルマッチにしちゃうってのは、どうなんでしょうね。
 そりゃ原口本人は受けるに決まってるけれど。

 


 久しぶりに見返した雑感です。

 まず率直に言って、あまり面白い試合ではありませんでした。
 あれだけ試合が面白い原口を以てしても、ペッチのつまらなさが上回ってしまった。
 ペッチvsチャドは面白かったんですけどね。
 最近のGLORYでのペッチの試合も正直あまり面白くはないです(昔は面白かった)
 この試合に関しては特に面白くなかった。
 ただ掴みにいってるだけなんだもん。
 身も蓋もないことを言うと、これ新生K-1ルールなら何度やっても原口負けないでしょ(ONEも大枠は新生K-1ルールと一緒なんだけど、ONEは結構やったもん勝ちみたいなところがあるからわからない)
 てかさ、いつからあのスタイル減点されなくなったんだ。あの選手やあの選手減点されていたじゃん。
 投げに関してもイエローカード出すの遅い。結局、注意されるまでいつまでもやるからね。
 ちょっと嫌な言い方をすると、これ天心の試合だったらもっと早くに注意や減点になってたんじゃね、って思ったりします。
 まあ天心だったら、1R序盤で即効クレーム入れていたでしょうけど。

 あと、このときってまだオープンスコアじゃないんですよね。先日の大﨑一貴vs政所仁のときには解説者がRごとにある程度採点していましたけど、このときはまだそれがないなあと。ボクシングやMMAの解説だと当たり前なんですけどね。
 
 そんなことを思いながら採点して見ていたんですけれど、僕の採点は本戦原口でした(1.4.5R原口、2.3Rペッチ。48-47で原口。5Rが微妙なので、48-47でペッチも十分あり得る。)
 あれ、原口勝っちゃったって思いました笑

 勿論、僕の採点なんてハナクソだし、当時見ていた時は本戦で原口負けたかなって思った記憶なんで、見る度に変わるかもしれないです。
 少なくとも、この試合はムエタイではないし、ペッチ圧勝っていう試合ではなかったと思います。
 よくこういうときにムエタイ畑の人が、ムエタイの採点基準であーだこーだ抜かしているのはハッキリ言って心底ウザイです。
 小野寺力さんや鈴木秀明さんみたいにGLORY等をチェックしてる人だったらいいけど、あーだこーだ言う人に限って欧州キックまず見ていないし。

 ちなみに延長も原口(またこれも見る度に変わるかもしれない)
 解説の白鳥は「難しいけど、印象的には(原口が)良かったんじゃないかな・・・うーんどうだろう」ともごもご発言していました。
 延長ペッチは全然いいんだけれど、急に3-0になるのもよくわかんねえなって思いました。
 
 暴言と戯言の雑感は以上です。
 

 試合後、原口はレフェリングやジャッジに対して不満をぶちまけます。
 そして軽く炎上もします。

 いくつか私見を述べたいと思います。

 まず、選手や選手サイドは納得できないレフェリングやジャッジがあったら抗議をすべきです(その抗議が正しいかどうかはさておき)
 抗議をしたことに対して、謎に叩いている連中はメジャースポーツとか見たことないのかな。抗議で溢れてますよ。
 
 それと、よくこういうときに「だったら倒せばいい」っていうのも本当にナンセンス。こんなこといちいち説明したくないけど、何のために判定があるんだって話でさ。
 あと、原口ペッチ2には関係ないけれど「アウェイだから仕方がない」とか言う奴も本当に面倒くさい。その後高確率で、自分が海外で戦ったときはーとか自分語りが始まる。

 沢山のスポーツ・競技選手がいる中で、格闘家はそれなりに自己プロデュースが求められます。最近は特に強さ・実力以上に求められがちです。
 それは決して悪いことではないし、僕もある程度必要なことだと思っています。

 そんな中、原口はとても自然体です。
 特に自分を大きく見せたりしません。あれだけの実力があるのに。
 
 スパンコールが散りばめられた衣装を着て、自分を表現している格闘家が多い中、タンクトップと短パンだけで歩いているような印象です。

 そして、自分の感情にとても忠実です。

 納得いかなかったから不平を漏らした。
 その後、納得いったから前を向いた。
 大好きな先輩の試合がこれで最後と思い、自分の試合前に泣いた。

 この自然な感じが僕は好きです。

 プロとして演出された言葉を話すことはとても大事なことだし、言葉は人を惹きつけます。
 ただ僕はもう若くなくて、まあまあのオジサンだから、生きていく中で、様々な仕事や交渉事をしてきて、この辺の話をする人には何度となく出会ってきました。
 だから、腹や脛が鍛えられすぎてて、何発貰ってもあまり効かないんですよね(勿論、鋭すぎて効くときもありますよ)

 自然体で話す原口が、チャドをKOしたミゲールに対して
「ほんまに強い。まあでも俺はいけるな。打ってくるタイプは得意す。俺」
とかの方が刺さっちゃうんですよね。
 家でしゃべってんのかって思うときもありますけれど。

 まあ共感は全く求めないっす笑


ペットパノムルン3


 ペッチに連敗後、原口は外国人選手相手(4人共初めて戦う国籍の選手)に4連勝します。
 4試合全て違うテーマを持って、違うスタイルで戦っているように見えました。
 
 初戦のセルゲイ・アダムチャック(ザカリア負傷欠場の代替え選手。原口とザカリアは縁が無かった)こそ判定だったものの(そもそもアダムチャックはKO負けがない選手だし、原口も再起戦かつこの階級で戦う初の欧州勢ということでそこまで無理してKO勝ちしようとは思っていなかったはず)
 ジェレミー・モンテーリョアンバー・ボイナザロフエイブラハム・ヴィダレスに3連続でKO勝利します。
 アダムチャック、ボイナザロフ、ヴィダレスの3人共ペッチの防衛戦の相手であり、ペッチがKO出来なかったボイナザロフ、ヴィダレスの2人をKOしました。ヴィダレスはランキング1位の選手です。

 これぞ機は熟したと言っていいのではないでしょうか。

 そして、もしかしたら出来たのかもしれない。

  これは完全なる僕の妄想笑


原口健飛の背中


 GLORY世界フェザー級タイトルマッチ ペットパノムルンvs原口健飛は既に決定していたものの、当初の予定から何度か変更されて7月20日になりました。
 その間、日本(RISE WORLD SERIES 2024 OSAKA)で行われる計画もあったとか。
 ですが、欧州で開催されるタイトルマッチだからこそ価値があると思います。アヤがつかなくていい。

 RISEの立場からしたら、今年に入って2度の大きな大会(このままだと3度)に原口が出場しないというのは苦しいでしょう。原口はエースかつ集客できる選手なわけだし。
 それでも、消化試合をやりたくない原口の思いをRISEは尊重したのだと思います。
 そしてGLORYでのタイトルマッチをRISEは全面的にバックアップすると。
 このことは非常に感慨深いです。

 だって、RISE WORLD SERIES 2019 -61kgのとき、原口は屈辱のリザーバーだったんですよ。
 大雅、梅野、裕樹の本戦出場は決まっていて、原口はその大雅と直近の試合で引き分けだったのに。てか絶対出てたら優勝してたでしょ。

 ライト級(-63kg)タイトルマッチだってそう。
 白鳥大珠は、北井に勝った後、RIZINでウザ強ヨシヤに勝っただけでタイトルマッチだったのに、原口は同じく北井に勝った後、ル・ジュン、チャンヒョン、森井洋介(肘有)に勝利して漸くタイトルマッチ組んで貰えたんですよ。


 使い古されたごくごく当たり前の一般論ですが、そもそも全員が同じスタートラインではないわけです。それぞれ違う位置からスタートします。
 そして、それぞれ違うカードが配られます。
 絵札持ちの人もいれば、エース持ちの人もいるし、当然クラブの2絡みの何もないカードの人もいます。

 これは人生だけではなく、格闘技界にも当てはまります。
 影響力の強いジムに所属している選手、強いスポンサーがついている選手、スター選手の身内等、実力に差が無くても与えられるチャンスは平等ではありません。
 
 そんな絵札やエースを持っていない側の選手はそれこそ原口健飛の背中を見て欲しいと思う。
 他を寄せ付けない圧倒的な突き抜けた実力を持ってしまえば、そんなものすべて破壊出来るっていうことを原口の背中は語っているはずだから。


最後に


 オランダに行きたい。
 今まで生きてきた中で出したことのない過去一番の大声で、そして日本語で、原口にエールを送りたい。
 これほどオランダに行きたいと思ったことはありません。
 リングス世代の僕からしたら、オランダなんて恐怖の国でしかないんだけれど笑

 ですが、いち労働者の僕にはそんな財力も時間もありません。
 嫁に「オランダに行ってみたいなぁ・・・」と聞こえるか聞こえないかの小声で呟いたら
 「行ってもいいけど、家の鍵は替えるよ」とニコニコしながらハッキリ言われました。
 怖っ。

 なので日本からありったけの声援を送ります。

 僕が言ってやる
 でっかい声で言ってやる
 ガンバレって言ってやる
 聞こえるかい

 (みなさんご一緒に)
 ガンバレ!!!


 (了)


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