上手な「並」の先生は書くのではなく、話すことをたくさんしている。
物を書くというのはすごいエネルギーとすごい時間を買うものです。
この原稿を書くにあたって、自分で原稿用紙1枚 書くのに
どれぐらい時間かかるかやってみました。
結果は15分結構かかりました。
余暇の時間や家族との時間を楽しみたい先生はお気づきかもしれませんが、
20人とか30人とかいる学級では返事を書くだけで時間がかかり
残業が確定してしまいます。
そこで書くことから話すことに手段を変えることである程度
時間短縮ができるという話をします。
評価言は書くのではなく直接話す
よくプリントやノートなどに教師が丸つけた後に
コメントを残すことがあります。
これは一時 私の効果的だなという風に思っていましたが
実は問題がありました。
コメントを読んでいるかどうかを調べたらクラスの中で学力が中位の層と
低位の層は読んでいませんでした。
理由は文字を読む習慣が低く、ノートを見返すことがあったとしても
返事のコメントまでじっくり読んでいない。
もう1つは、教科書の方が図などがあって見やすいため
予習復習を教科書で行う人が多かったからでした。
要はノートの返事ではその子たちの層には刺激が足りないのです。
ではレベルの高い層には効果的だったかというと
教室の中で学力が高い方の層は読んでいたのですが
だいたいコメントはその層のレベルに合わせたコメントではなく
一般的なレベルのコメントだったので
その層もだんだん、コメントを参考にすることもなくなったようで
しまいには誰も見ないという状況になりました。
この原因には3つあると思います。
まずは ノートという性質上、たくさんの人が見る可能性があるため
その人に特化した内容であったり、特別視するような言い回しが
できなかったりすることです。
そしてもう一つはタイムリーではなく少し遅れてから
返事が返ってくるので、もう興味が薄れてしまっている状況に
なってるという点です。
最後に文字を読んで理解するのが苦手な子が中学年ぐらいには
かなりの割合いるということです。
こういう子たちには声に出して伝えないと効果が薄いです。
最近の私は子どものノートを可能な限り本人に持ってこさせるようにして
読んだ時に内容がいいとか このキーワードがいいとか 字が綺麗だとか
読みやすいとかを、その場で言うようにしています。
公の場で感想を言う場合は本人に特化したものはできませんが
それでもタイムリーであるので効果が高いように思います。
またここが重要なのですが、効果が高いように思ったのは
実際に表情などが見れたため子供の気持ちが分かりやすいという部分です。
これはノートでやり取りした時には分からないことでした。
コメントを書いていた時間を書かなくなると時間ができるので
その時間で個別に質問に答えたりだとか、
その子のレベルに合わせたコメントを個別に伝えることができます。
どうも上手な「並」の先生は自然とそういう手法を
使っているように思います。
ノート 等の評価言も悪くはないのですが、
一度、子どもの話をして評価を伝えることをお勧めします。
書くことはいつまでも記録に残ることや、複数の人に伝わるという
すばらしい一面をもっていますが、
一方で話すよりも準備や労力が多くいることになります。
個人的には終わった後のことに力を入れるよりも
授業の説明や問題作りに力を入れた方が、より子どもの満足度も
高くなると思うので、評価を伝えたりノートの返事をするのには
特別な日を除けば、簡単でいいと思います。
その分、みんなと話したり一緒に過ごすことができるので
それを一緒に楽しめるようにしたら、よいと思います。