今年読んだ本、見た教則、来年のこととかいろいろ
今年読んだ本とか見た教則とかいろいろ個人的今年のまとめのようなことを書いている。
あと来年のことも少し。
今年読んだ本
『アフリカ哲学全史』『闇の精神史』『黒人音楽史 奇想の宇宙』
『アフリカ哲学全史』は全史とついていて胡散臭いがまともな本。価格のわりにボリュームがすごい。
『闇の精神史』はユートピアに関して雑多なことをまとめたもの。サン・ラーは土星出身であり、人ではなく、家族もいないが、それは白人によってルーツを奪われたこと(=集団的記憶喪失)に対する抵抗であると書かれていた。黒人がやたらとアニメに入れ込んでいるのはそれと関係があるのかもしれないと思った。
『黒人音楽史』は引用が非常に多く難解。
全て読み終わっていない。黒人(ブラジル人)関連について知りたくて読んでいる。
なぜ黒人(ブラジル人)について知ろうかと思ったかはいろいろ理由があるが、少し列挙すると、
ファノンの思想について知りたかったこと
アメリカの黒人のアイデンティティはどこにあるのかということ
アメリカの黒人は白人によって人種(血)を捻じ曲げられてきたが、それは沖縄とも共通する部分があること
にもかかわらず、沖縄では同様の行為が白人だけででなく黒人自身によって行われたこと
混血であり、歴史があるとは言えないブラジル人のアイデンティティがどこにあるのかということ
ブラジルから文化的に学ぶことはないと思っていたが、必ずしもそうではないのかもしれないと思ったこと。
その他
3に関して、twitterで以下の記事が流れてきた。
記事において、アメリカの公民権運動にかかわったフォアマンが若いころは軍人として第二次世界大戦後の沖縄へ行き、そこで自分たちもまたアメリカにおいて白人から受けてきた行為を再生産したことが語られる。
4に関してはアメリカにおける黒人のアイデンティティの問題と関心は似たようなものだが、違うのは表面的にはブラジル人が自身のアイデンティティに誇りを持っているように見えることである。
確かかなり前にRIZINのサトシが勝利した際にUFCのオリヴェイラがtwitterで「おめでとう。(略)。俺たちブラジル人が最強だ」みたいに言っていた記憶がおぼろげながらあるが、これを見た時私はいったい自分たちの何にアイデンティティを見出しているのか疑問に思った。この時の感覚はクレベルがブラジルでも日本でも差別を受けていたことが関係しているように思う。
ペレイラは自身がブラジルのある民族の純血であることを主張していたはずだし、ブラジル人のアイデンティティはアメリカの黒人とは違った意味で疑問を抱いている。
5に関して。ブラジルの現在の国の形としては歴史は短く、失礼ながら文化的には学ぶことはほとんどないだろうと考えていた。
しかし、ヒクソンの柔術や後に紹介する『鍋に弾丸を受けながら』という漫画におけるブラジルでの料理の話を読んで必ずしもそうではないのかもしれないと思った。
ブラジル料理に関する知識は今でもないが、以前は何かを混ぜただけというイメージを持っていて、漫画において出てくる私が気になったブラジル料理も実際複雑な工程で調理されるものでなく、むしろ直火で焼くだけくらいもののなのだが(中には当然複雑な調理もあると思う)、しかしその魚を直火で焼く際の態度が何というかそれなりのものだと感じたわけである。
『武士の起源を解きあかす』
武士の起源とは歴史学としてはほとんど検討されないテーマのようで、フェルマーの最終定理のように難しすぎるかららしい。それゆえ武士の起源を扱った研究者は最近では高橋昌明しかいないとのこと。
そういうわけで著者は自身でも取り組むことにした。
以上のように誰もが疑問を持つものでありながらほとんどだれも取り組まないテーマを参考文献付きでまとめている本書は貴重。
金融・経済関係
金融・経済関係の本を今年は例年より多く読んだ。省略。
『自分の仕事をつくる』
本書は著者が働き方について調べたことをまとめたもの。インタビューが主であり、対象となっているのはデザイナーが多い。
良かった点はサーフボードシェイパー植田義則のインタビューで説明された波とサーフボードの関係の深さを知れたことと、ルヴァン創業者甲田幹夫のインタビューで自身の仕事には矛盾がないという言葉からダブルバインドのない仕事こそがいい仕事(ダブルバインドのある仕事は病む)かもしれないという考えを知れたこと。
悪かった点は文庫版あとがきにある読者からの感想と同じ。
『柔道 その歴史と技法』
多分今出ている中では一番新しい柔道史の本。柔術の起源から武士の闘い方、古流柔術の代表的な流派、明治期、それ以降いろいろと網羅的な本となっている。
武士の柔術や古流柔術に関してまとめた本となると中々なく、参考文献もあるので非常に有用。
不満点は講道館が関係しているのかはわからないが、田辺又右衛門、サンテル事件、海外に行った柔道(柔術)家に関する記述が私が見た限り全くないこと。このためブラジリアン柔術に関することが知りたい人からすればあまり役に立たない。
『NBAバスケ超分析 語りたくなる50の新常識』
上の記事を読んで買った。現代バスケの戦術・考え方が歴史とデータとともにコンパクトに整理されている。良書だと思う。もっと知りたい人向けの書籍のリストがあれば完ぺきだった
今年読んだ漫画
鍋に弾丸を受けながら
危険な地域ほどうまいものがあるをコンセプトに釣りを趣味とする作者が世界各地のその土地特有のものを食べた体験をもとにしたグルメ漫画。
グルメ漫画というと今では一つの分野としてジャンルを確立しているものであるが、私の知識がないので、本作が歴史的にどのように位置づけられるか説明できない。しかし、おそらく世界各地のその土地特有のものを食べるというのは初ではないかと思う。地域を限定したものであればすでにある。
もう一つの特徴としては、その土地の文化・歴史が著者の目を通して語られることにある。グルメ漫画あるいは食文学というと一般的には上流階層が主人公や著者というのが多いのではないだろうか。対して作者は多分そのような生まれでなく現代の日本人の平均に近い目を持っているため、語られる内容が現実に基づいたというか多くの人にとって理解でき意味のあるものになっていると思う。
例えば以下
ご飯は私を裏切らない
非常に良かった。
タイトルに「ご飯」と入っているが、おもしろいのは食事よりも主人公の食を通じて考えることにある。
主人公は非正規で働く29歳であり、何らかの軽度の障害があると思われる。そのようなため、普通の仕事がこなせずこれからも全く状況が好転する見通しがない中で唯一救いとなるのが食事。そして食事を通じて考えられることは味というよりかはその元となっている動物社会と人間社会における自身の比較。
内向的な人間にありがちな思考が次々連鎖し、変な方向に行くというのが特徴的に描かれている。障害があるかもしれないと言ったが、あくまで主人公はハードとしての脳のスペックが低いだけで、頭は決して悪くない。
主人公自体は社会的マイノリティに分類されるが、主人公の人間社会に関する考察は現代を生きる人間であればその人間のステータスに関わらず同じく共有するものだと思う。であるのでマイノリティの視点を楽しむというより生きるうえで考えないようにしていたことに気付ける(思い出せる)ことが本書の白眉ではないだろうか。子供の疑問をいつまでも持ち続けてるような感じがある。
間違いなく傑作。面白くないという人がいればその人はよっぽど人生が楽しいのだろうか。
セクシー田中さん
今年の1月に作者の事件があり、読んだ。
若くてかわいく将来に不安を抱える倉橋あかりが、同じ会社のああはなりたくないと言われている田中さんの謎の魅力に惹かれ、偶然ベリーダンスをしていることを知り、交流するという話。
あかりは異性からアプローチ自体は今まで沢山されてきたものの、周りが見ているのは若くて適度にかわいいだけの自分であり、本当に自分を好きな人はいないと感じている。
対して田中さんは幼少のころからまともな人づきあいができず、35歳になり鏡に老人のような自分が映っているのに気づく。両親から送られてきた誕生日のメッセージカードには親としてあなたの幸せを祈っていると書かれており、変わる決心をし、その一環として人から勧められたベリーダンスを始める。
話を動かすための主要人物としてもう一人ここで笙野という男が出てくる。笙野は生育環境と過去の恋愛から異性に対する固定観念を持っており、当初ベリーダンスに対する偏見から田中、あかりと衝突する。その後田中からベリーダンスに対する考えを聞き、徐々に笙野は変わっていく。
笙野のような人物が変わると思っていなかったあかりは、田中はそこまで人を動かすことができることを羨ましく思う。
以上が自分が3巻くらいまでのおおよそのストーリー。
当たり前のことではあるが、年を取っているだけではその年齢においてできたほうがいいこと、していたほうがいい経験は必ずしも持ち合わせていない。そのような状況であってももう遅いなどとは言わず、情けなくても何度も挑戦し変わる姿が丁寧に描かれている。
他者に対する作者の視線が心地いい。
事件は無念と言うほかない。
本件然りジャニーズの件然りその他の件然り、テレビ局が自力で変わる日は永遠に来ないと100%確信している。
Thisコミュニケーション
ストーリーは謎の巨大生物が発生し、人類はほとんど絶滅した状況で雪山に防衛拠点を築き、軍人が改造されたゾンビ人間を率いて戦うというもの。
特殊な状況下で展開されるホラー映画のようであるが、違うのはそのような状況においてやることはほとんど如何に人を動かすかに労力を割いている点にある。
改造人間は主人公の軍人に対して協力的でなく、巨大生物と渡り合うためにはどうしてもその協力が必要となるため、死亡する数時間以内の記憶は保持されないという改造人間の特性を利用して、必要な記憶を選び、どうにか改造人間をコントロールする。
読んでいる途中だが若干ワールドトリガーのような印象を受けた。ワールドトリガーだと人が延々話し合っているだけで傍から見ればストーリーがほとんど進んでいないが、それでも面白い。そんな感じの作品。
ねずみの初恋
twitterで1話が流れてきて読み、衝撃を受けた。ヤンマガ史上最速の売り上げと言われるのも納得。画力と演出が結びついている稀有な例。どちらか片方だけを持つ人はいるが、どちらも持っているのは非常に珍しい。
主要な登場人物のキャラデザ、精神が意図して幼く描かれ、残酷な世界を強調する。
デジタル作画の現代の到達点と同等の演出で、気分の悪さを味わえる。
youtubeの密着面白かった。
今年見たアニメ・映画
僕の心のヤバいやつ、葬送のフリーレン
流行りのものが面白いと思えず熱中できないと、自分の感性の衰えが心配になる。面白いと思えないこと自体は主観なので問題ないが、熱中できないのは何か危機感を感じる。
ハマれなかった。not for me。
小市民
『氷菓』作者による別の作品。全くハマれず。
こういうキャラ設定に胃もたれするようになった。
なんとなく、大人になっても学生を主人公にした創作をしている人はすごいと思う。
古典部シリーズの『いまさら翼と言われても』にでてくる主人公の山月記の読書感想文が良いと聞き読もうと思って数年が経過している。
ガールズバンドクライ
タイトル通りガールズバンドもの。結構話題になっていて、自分も面白く見れて良かった。
主人公は熊本の高校を中退後、予備校に通うために上京。そこで好きであったが解散してしまったバンドのボーカルと出会い新しくバンドを結成。その他のメンバーも加わり頑張ろうという話。
ガールズバンドものと言うとこのシーズンでは「夜のクラゲは泳げない」少し前にはぼっちざろっくと何か偶然かあるいはブームのようなものがあった。
夜クラの方は見ていないので何とも言えないが、本作の特徴は主人公の圧倒的な妥協のなさだろう。クリエイターや学生をメインにした作品がそれ特有の葛藤を描くというのはありふれたものであるが、ここまで主人公が狂犬であるのは記憶にない。自分が間違っていないことを証明するために徹底的に他人に噛みつく、他者との関係を妥協せず踏み込む、思春期に持つ説明のつかないエネルギーをそのまま発露する。
音楽とは思想でもあり、それが体現されている。
ほかの特徴は技術的な話だと日本では珍しくCGを採用したこと。その技術的な革新度合いは以下の記事。私にはよくわからないし、多分そのことを語っても面白くないので省略。ほかには声優の採用は非常に厳選した話など。
負けヒロインが多すぎる!
かなりの人気作だったがハマれなかった。
良かったところは昔の曲をEDに採用していたこと。このEDが好き。
1分過ぎに泣いているシーンがある。人の表情が崩れているものとは何か惹かれる。
その後のダンスのシーンは表情が清々しい。四月は君の嘘のような感じ。
学生のころというのは感情を見せることに何か気恥ずかしさがあったりするが、そういったもののない純粋な他者への視線・感情の発露を見ると、フィクションであってもうらやましく思う。
ゆるキャン△
現在進行形で見ている。作中の舞台は冬なので、今見ることで4Dとして見れれる。
最近twitterで「アニメ療法」に関する本がバズっていた。
本曰く、カウンセリングの手段としてアニメが用いられているとのこと。
理由としては、受動的に見れること、選択肢が広いことがあるそうだが、ゆるキャンもそんな感じじゃないかと思った。
のんのんびよりと同じ感じ。
ダンダダン
7話が傑作だった。
OPのクオリティがすごい。
アニメの演出におけるあらゆるもののレベルが上がっていると感じる。
映像系の才能はいまみんなアニメに来ているのだろうか。
日本アニメは売り上げが世界的に右肩上がりらしいので、現場の待遇の改善とともに成長し続けてほしいと思う。
余談
アニメ・漫画の売り上げが世界的に増えているのは数字としては知っているが、日本以外の国のアニメ・漫画と関係ないところで見ると強く実感する。
キルギスのジムでなぜかドリフターズらしきものがあったり
触れた、だけだった。
もう二度と関わらない人を想うとそれだけで少し寂しくなる。それはたとえ相手が特別な人間でなくても同じように感じる。
ほとんどの関係は人生において偶然から短い時間だけ交わり、あとは離れていくだけだろう。関わる理由は近くにいたというだけであり、決して相手が唯一無二なわけではない。
サイコパスというメリトクラシーが実現された世界のSFアニメで「誰だって孤独だ。誰だって虚ろだ。もう誰も他人を必要としない。 どんな才能もスペアが見つかる。どんな関係でも取り換えが利く。 そんな世界に飽きていた」というセリフがある。何かができる・できないが人の価値だとすればほとんどの人間はオンリーワンになどなれない。替えが効くという自意識は空しく、できる・できないとはべつのところで生きていければいいのにと思う。
唯一無二じゃないからタイミングが人間関係を左右するのだろうか。
タイミングが合わなかったから人間関係が続かなかったとはありふれたものではあるが、それを受け入れるのは耐え難い。
同じことが描かれていたものとしては『蝉しぐれ』が自分にとって印象深い。
君の名前で僕を呼んで
夏に見た。夏らしいものが見たくてサーフィンや海の映画を見ようと思ったが、アマプラだと見れないものが多かったので消去法で選んだ。
舞台は年のイタリアの避暑地。大学教授の息子である主人公と避暑地にやってきた院生の初恋の話。
面白くなかった。
良かったところは二人で出かけた時の馬鹿みたいな浮かれっぷり、最後の父と息子の対話、音楽。
今年見た教則
柔術の教則は省略。レスリングの教則を多く見た。
SUBMETA
SUBMETAとはラクラン・ジャイルズが運営するオンラインの教則サイト。
特徴は何といってもその動画の見やすさにある。
BjjFanaticsの普通の教則だと背景で気が散るが、ラクランの教則は見ての通り背景がスッキリしている。わずかな違いだがこれだけでも見やすさが全く変わる。
さらに、技の解説も細かいチャプターに分かれ、リスニングが得意でない人間にとってもそのチャプターが何をしているのかが明確にわかる。
このサブメタの中でレスリングの教則として、オーストラリア代表のオリンピアンであるTalgat Ilyasovによる教則がある。Talgatによる教則と言っても当然ラクランによる監修が入っているはずなので、他のものと変わらずわかりやすく見ることができる。
教えられる技術自体は少し一般的ではない部分もあるが、(多分)ラクラン監修による圧倒的わかりやすさは初心者向けであると思う。特に Run the pipe の部分は今まで見たどの教則よりもわかりやすかった。ここだけでも買う価値があるとさえ思う。確か普通の教則のようにレスリングの部分だけでも購入できたはず。
レスリングの教則を初めて見るならこれを勧める。この教則と余裕があれば次に紹介するジョン・スミスかカイル・デークのものがいいと思う。
Championship Wrestling Fundamentals Cowboy Defense by John Smith
ジョン・スミスによるディフェンスの教則。特徴として他の人の教則よりも圧倒的に技の数が少ない。その分一つの技に対する解説が長い。ディフェンスにおけるプレッシャーについて触れている数少ない教則。
技の解説として自身の経験からここは絶対に大事という部分が強調されている。
例えばシングルレッグのディフェンスにおいてダメなディフェンスの例を示し、そんなディフェンスだったら自分は吹っ飛ばす。トップレベルのレスラーは皆手を引き付ける力が強いというようなことを言っていた。(たぶん)
教則を見たしばらく後に以下のベログラゾフとの試合を見た。ジョン・スミスがハイクラッチを打ち、ベログラゾフがスプロールし、手が完全に伸ばされた状態における引き付ける強さに思わず笑ってしまった。速すぎる
教則を見た時はレスラーの引き付けの強さのイメージをここまでは持っていなかったが、これを見ればもう何も文句が言えない。
ダメな点、わかりにくい。1つのチャプターが長い。BjjFanaticsの普通の教則と同じく、画角等見せ方が工夫されていない。話す内容(話し方)もあまり工夫されているように感じない。カレッジレスリングの真髄みたいなものを期待したが、そういうのは私が聞き取れる範囲ではなかったと思う。
総合的にはとてもいい教則だと思う。ただこれ一つだとディフェンスを網羅するのは不十分。
Championship Wrestling Fundamentals Cowboy Offense by John Smith
ジョン・スミスによるオフェンスの教則。他の教則と違う点としてフットワーク、シャドー、ローシングルの比重が大きい。他の教則だとせいぜい構えと四方への動きを見せて終わりくらいだが、この教則ではジョン・スミスの孫(?)が登場し、孫に動いてもらい出来ていないとこを指摘している。
ただこのフットワークに関しては実際どれくらい正しいのかわからない。というのもレスリングの上位レベルの人間を見ていても必ずしもジョン・スミスの言うとおりに動いていない割合が多い。例えばかなりの経験を積んだレスラーが横に移動する際に脚をクロスするのを見る。なのでこれを見て実践したからと言って実際その動きがどれくらい意味を持つのかは正直わからない。
現時点ではあまりいい教則とは思わなかった。
Mastering Wrestling Defenses and Counters by Bo Nickal
カレッジレスリング感が強いディフェンスの教則。技数が多い。一番初めに登場しそこから派生するディフェンスの基本となる技が一般的でないと思う。
中級者以上向け。
Defense Wins Championships by Kyle Dake
とてもいい。youtubeで無料で公開されているダブルレッグのところだけでもクオリティがわかるのではないだろうか。ジョン・スミスやボー・ニッカルの教則だと紹介されてる技の数や種類に偏りがあると感じたが、対してこの教則はすべてバランスがいい。初・中・上級者問わず勧めれる。
デークは自身のことを確か defensive wrestler と言い、defensive wrestler としての考え方も説明していた。
組手
Mastering Underhook Offense by Kyle Dake
アンダーフックの教則。普通にいい。アンダーフックの教則はまだこれしか見ていないので他の都の比較はできがないが、ディフェンスの教則と同じくバランスがいい教則だと思った。
デークはフリースタイルレスラーなので、グレコとは多分違うアンダーフックを学べる。
Single Leg Setups by Kyle Dake
Kyle Dake によるシングルレッグの教則。デークによるシングルレッグの2本あり、1つはこの「Single Leg Setups」、もう1つ「Single Leg Finishes」。
実質組手の教則。
組手のそもそもそれをなぜするのかレベルで説明している教則。その分、基本的な組手の知識は説明していない印象。
シングルレッグのフットワークは基本的なレベルで今まで見たほかの教則よりも優しくわかりやすく教えていた。初・中・上級者問わない教則。
Float Like a Buterfly by J'den Cox
上級者向け。喧嘩四つの組手を解説している。組手というかフットワーク寄りの教則で珍しい。現時点でできる気がしない動きが多かった。まさしく教則名の通り蝶のように舞っている。
コックスは以下の動画のようにかなり独特な動きをするレスラーで、多分レスラーの中でも股関節が柔軟な方だと思う。教則でも動画の動きのようなものを解説していた。
最後の方にベルナルド・ファリアと別の人物との柔術ルールのスパーを行っていた。ファリアが確かシングルレッグハーフかドックファイトからスタートで全く倒せず、やはり本職のレスラーとは違うのだと思った。
ファリア以外とのスパーでは柔術側が二重絡みからの股裂きのような状態を作ったがコックスの股関節が柔らかくて全く効果がなく、そもそも相手が何をしているのかわからず困惑しているような反応をしていた。
とはいえコックスも動けないのでファリアに「これどうしたらいいの?」と言っていたのが面白かった。
全く勧めはしない。
Relentless Collar Tie Offense by
喧嘩四つの教則。コックスの教則と違うのは喧嘩四つの中でもたった1種類の組手からのシステムだけを解説しているということ。
なので組手におけるシステムはここまで考えるということを知るにはいいが、喧嘩四つをそこまで深堀しない人には向いていない。
上級者向け。
The Art of Hand Fighting: Turning Their Control Tie Into Your Offense by Jon Morrison
とてもいい組手の教則。初・中級者向け。
個別の技術自体は深堀りしていないが、短く組手の全体像をうまく整理して説明している。
組手の初めての教則ならこれでいいと思う。長い教則でも問題ない人は次のもの。
The Collar Tie Formula Bundle by Dan Vallimont
オフェンスの組手とディフェンスの組手の2つの教則をセットにしたもの。セールで安かったから買った。
基本的な組手を省略することなく説明している。The Art of Hand Fighting を省略せずにやったものみたいな感じ。ただ初めて見る教則がこれだと量の多さから組手の全体像が少しわかりずらいかもしれない。
良い教則。
打撃
MMA Footwork Hacks: Setting Traps With Movement by Dominick Cruz
chapter1くらいまで見た。水垣偉弥戦でのダブルレッグに入った際の自身のステップを解説していた。
映像が古く、聞き取りにくかった。全部見ていないので良いか悪いか判別できない。
なので、これを見たとしてドミニクのフットワークを再現できるかはわからない。
ドミニククルーズを知らない人に説明するならグアルディオラ率いる黄金期のバルサあるいはカリー・クレイコンビ全盛のウォリアーズだろうか。
誰もが憧れ真似をするが誰も再現できない。
コーディ・ガーブラント戦は未だに人を引き付ける。その時にはもう怪我をしていて全盛期ではなかったそう。
The Footwork blueprint by Trevor Wittman and Justin Gaethje
トレバーウィットマンは著名な打撃コーチ。多数のMMAファイターを指導し、優秀なコーチとしての賞も受賞している。
そのウィットマンとゲイジーによるフットワークの教則。比較的最近撮影された教則ではあると思うが、英語が聞き取りづらかった。まだほとんど見ていない。評価は高い。
The Fundamentals of Boxing by Teddy Atlas
映像が古く、聞き取りづらい。
Dynamic Striking で複数の教則を出しており、評価もいいのだが、聞き取りづらいのがネック。
さらに1つのチャプターが長く、結果として何を言おうとしているのわからない。
もう一度頑張ってみれば聞き取れるかもしれないが、今のところ評価不能。
今年買ったもの
買ったものを見直してみて、人に勧められるようなものがほとんどなかった。
デーツ・スポーツようかんは軽食としていろいろ試行錯誤している中で今のところはこれに落ち着いている。
スポーツようかんはタケさんが勧めていたから買った。特に柔術や身体を動かす前に使用しているわけではないので、そのあたりの使用感は不明。
私は軽食を深夜やあるいは空腹時に摂取することがあるため、求める条件は以下。
・砂糖が少ないこと
・小分けで食べられること
・手が汚れないこと
・できれば栄養がいろいろ取れること
・血糖値が上がり過ぎないこと(GI値)
この条件に該当するのがデーツと(砂糖以外は)スポーツようかん。
ようかんは体調が悪く食欲がないときにゼリーのような感覚で食べれた点もよかった。
失敗だったものとして、バナナチップ、煮干し、あと何かあったが忘れた。
ブリタはPFAS問題を聞くようになって買った。
来年読みたい本と見たい教則
韓国関連の本
隣の国であるのに自分は韓国についてほとんど何も知らない。
しかし今年なんやかんやあり、韓国についても知らねばいけないと思った次第。
金融の本
経済学の教科書を読まなければいけない。
黒人・カリブ海関連
今年ようやく黒人関連の本を読み始めたのでそれを継続。最初に書いた本の残りを読みつつ後は『私が諸島である』、『アメリカ音楽史』、『ブラジル史』、『大邸宅と奴隷小屋』をとりあえず読めればいいと思う。
https://www.suntory.co.jp/sfnd/prize_ssah/detail/202408.html
https://www.suntory.co.jp/sfnd/prize_ssah/detail/2011gb1.html
https://ir.ide.go.jp/records/46863
動物倫理学
私は人権思想というものにどうもなじまない。人権というものが特権的に人間のみに付与されているのが気にかかるのだ。人権がただの方便だというのなら構わない。しかし少なくない人が人権やら法律を道徳的なものであると主張するのは何か強い違和感がある。
動物にも同等の権利を与えよと言っているのでない。そうではなく無条件で人間にのみ特権的な権利が認められるものを倫理的・道徳的と言うのに違和感があるのだ。例えば動物を黒人やアジア人に置き換えれば違和感は誰でも感じるだろう。人間(白人)は生まれながらに権利を有しており、動物(白人以外)は権利を持たない。
このような考えは動物倫理学における主要人物であるピーター・シンガーが述べている。
動物倫理学というと前は暇なリベラルの遊びか机上の空論のようなイメージを持っていたが、今ではだいぶ変わり、人に対する倫理を考えるには動物に対する倫理も考える必要があり、動物という範疇よりもずっと広い射程を持ち、実際に役に立つものだと考えている。
数学、英語、中国語
AIの進歩は全く予測できず、これらが不要になるかどうかはわからないけれど、とりあえず趣味の範囲でもやろうと考えている。
格闘技の本と教則
柔術の教則
今書いている別の記事でライアンホールについて調べていたところ、自分が思ってたよりもホールが評価されていて(人によってはダナハーレベルと)、以下の動画を見て印象が変わった。
動画の30秒以降の自己紹介で、ホールは2009年にヒクソンのセミナーに参加し、that changed my jiu jitsu life と言っている。
ホールというとBJペンに極めた今成ロールやホールが起源?らしい三角の極め方から、ラクランのような柔術の理解が高い人と思っていたが、ヒクソンのような方向にも関心を持っていたと初めて知った。
そんなわけでライアンホールの教則を見たい。しかし自前のサイトで買い切りしかなさそうなのが悩ましい。
柔道の本と教則
ノーギ柔道を習得するためには結局道着を着ている柔道ができなければ効果は薄いのではと考えている。
国会図書館でデジタルアーカイブが進んでいるので、昔の柔道の本も読めるようになってきている。
レスリングの本
カレッジレスリングの歴史の本。
キャッチレスリングの教則
前田日明の記事を読んでキャッチレスリングの首を極める(コントロールする)技術は必要だと思うようになった。
(あとケイドのインタビューもキャッチレスリングを見直すきっかけ)
サンボ
古流柔術
以下の本のデジタル化を気長に待っている
剣術
今年の総括・来年の目標
今年
私生活において悪い状況が進展しなかった。来年こそは本当に改善したい。
ブラジリアン柔術に関して、元々純粋な競技柔術に興味があまりなかったが、今年はさらにそれが進んだ感がある。今興味あるのはもっと広い組技全般、MMAグラップリング、ヒクソン系の柔術。
今年は柔術の練習よりもレスリングの練習の方の比重が大きかった。
来年(2025年)
来年というわけではないが、体が動くうちに海外のジムに行ったり人に会いたい
タイガームタイ
リコ・チャッパレリ
ヒクソン
ヘンリー・エイキンス
クロン
Marcio Stambowsky
Julio Cesar(オズワルドファダの話を聞きたい、https://www.jstage.jst.go.jp/article/santhropology/2022/24/2022_03/_pdf)
ほか
他のことは私生活の状況が好転しない限り考えにくい。
小さなことで頭が支配されて良くない。
短期療法の本を読んでおけばよかったと思う。やはりこういうことは必要になってからでは遅い。
月ノ美兎の2024年買ってよかったものでSteam Deckがあって、久々にゲームをしたい、というかゲームをする余裕が欲しい。