猫は泡沫の夢を喰う【読切部門 あらすじ】
江戸時代の長崎。稽古通詞見習の稲田市太郎は、将来を期待されている18歳の少年である。彼は、数年前から出島阿蘭陀商館に滞在している商館医のフランツに西洋の最新の学問学び、心から彼を尊敬していた。
ある夜、市太郎は化け猫の店に迷い込む。そして、彼の「海の外の世界に行きたい。」という夢を言い当てる。その後も市太郎に接触する化け猫・・・彼女はフランツについて「気をつけなさい。」と忠告する。しかし、その忠告は届かず、持ち出しが禁止されている地図をフランツに渡す手伝いをしてしまう。牢獄に入れらた市太郎の元に再び現れた化け猫は、市太郎を助けてもよいと条件をだすのだが・・・。