そして、本は笑うー近世崎陽異説譚ー【連載部門 第二話】
目覚めると雪之丞は手術の真っ最中だった。
何人かの日本人の男に抑えられ、無麻酔で治療を受けている。
雪之丞「!!!!」
口には舌を噛まないように猿轡をされ、発狂しそうな痛みに声にならない絶叫をする。
コロン、と音がして取り出された銃の弾が皿に落とされる。
フランツ「皆さん注目!これが銃弾です。体内に残された弾丸は金属でできていることから、体内に取り残されると体を壊死させます。」
周囲の日本人たちが「おおお」とどよめく。
フランツ「摘出した後は縫合します。よく見ておくように。」