千代子

小説を書いてみたいです。

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最近の記事

【エッセイ】かき氷とホットコーヒー

 夏は矛盾だらけの季節。  灼熱地獄の外から涼しい場所を求めて入った珈琲チェーン店。メニュー表を見ると季節柄かき氷がある。  練乳メロンかき氷。さくらんぼ付。  見た目はいわゆるメロンクリームソーダを彷彿とさせる。レトロで良いではないか。  水分補給も兼ねてこれを頼もう。  さて、商業施設にありがちでありがたいことだが、冷房が効き過ぎている。このままかき氷を食べれば逆に体が冷えすぎてしまいそうだ。何か対策をした方がいいな。そうだ、ここはコーヒーショップだ。 と、いうわ

    • ねむくない

      眠く…ない! 眠くない? 眠く…な…い…zz (了)

      • 【ショートショート】桜の木の下でずっと君を待っている【小説】

         この桜の木の下で僕は君を待つ。  ここで君と僕は小さなお花見をしたね。この桜は幹が太く、根も立派。近くの木と比べて一つ一つの花自体が大ぶりで色艶も良く、見事に咲き誇っている。  4月と言えど、まだまだ肌寒かったあの日、君と僕はこのベンチに腰掛けた。君はこの公園近くに来ていたキッチンカーでホットワイン、僕はコンビニで缶ビールを買った。 缶ビールなんて体が冷えるよ、大丈夫?寒がりなんだから違うのしたら?一口目はビールにしたい?ふーん、お腹壊しても知らないから。  こんな風

        • 【エッセイ】コンビニでおにぎりを買う。酔いが覚める。

           あーいっぱい飲んだ呑んだ。いや、しかし…もう1件行ける気がする。豚骨ラーメンなんてどうだろう。替え玉1回はしたいなあ。  散々飲んで帰路につき、自宅の最寄駅にもう着いたのに自分はどこにも行けずに佇んでいる。うーん、駅の反対側にラーメン屋あったな。遠回りだけどそこ行くか?いや、帰りに24時間営業のスーパー寄るか?なんか甘いものでも…決められず立ち止まる。もうすぐ日付も変わる時間だ。吐く息は白く、突っ立っているだけなのでますます寒さが身に染みる。早く答えを出さないと、風邪を引

          【ショートショート】丸齧りできる虹

           ねえ、皆知ってる?「虹」って食べられるんだよ。とっても美味しいんだよ。そう、雨上がりに空に浮かぶ虹。虹が見えたらよく見つめて。見つめて、見つめて、見つめて。集中して、食べたい!って強く頭の中で念じて。そして口を大きく開けて、目の前に食べ物があるかのように空気に齧り付いて。そしたら、いつのまにか口の中に堅い感触感じない?感じたらそのまま噛んで。そう、虹は堅いんだ。ぽりぽり、ぼりぼり。噛みごたえあるよね。ちっちゃい時に食べた千歳飴みたいだなあ、って僕は思った。色んな味、香りがす

          【ショートショート】丸齧りできる虹

          なくなったら悲しいマスタード【ショートショート】

          ビール! ザワークラウト! 大きなソーセージ!  この組み合わせ間違いない。ビールはできれば苦味が強くてアルコール度数ちょっと高めがいい。噛むと肉汁滴るソーセージにぴったりだ。このつまみと合わせるなら軽い飲み口のものではなく、重めで硬派なビールがいい。それと、忘れてはいけないのが添えられる粒マスタードだ!  マスタードは本来はメインのソーセージの薬味扱いなんだろう。しかし、ぷつぷつとした食感、酸味が混在した辛みは単体でも存在感のある食材である。そしてこれがビールとも合う。ソ

          なくなったら悲しいマスタード【ショートショート】

          【ショートショート】感情的な珈琲

           父は滅多に珈琲を飲まなかった。なぜかと言うと手軽に飲めない、特別な珈琲が好きでそれしか飲まなかったから。どこで入手していたかも分からない、 それは「感情的な珈琲」  その珈琲は珈琲豆自体に感情があり、その感情に合わせて多様な味になる。人に飲まれるまでの扱いによって味が変わるらしい。保管場所が埃だらけで湿気の多い場所だと辛くなる。縁が欠けた適当なマグカップで飲むと酸っぱくなる。反対に気密性の高い容器にきちんと保管し、大事に扱うと甘い味になるらしい。砂糖要らず、ダイエットに

          【ショートショート】感情的な珈琲