大人でも増えている溶連菌とはどんな病気?
【溶連菌=のどが痛い】
というイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか。
最近、私が働いている薬局でも溶連菌の患者さんが増えてきています。
溶連菌というと、子どもがかかる病気だと思っている方もいるようですが、そんなことはありません。
今回は、
溶連菌の主な症状
溶連菌の原因
溶連菌を治す方法
こちらについて簡単に解説します。
溶連菌の主な症状
溶連菌は、「溶結性連鎖球菌」の略です。
主な症状は以下の4つです。
のどの痛み
発熱
手足の発疹
舌の表面にぼつぼつができる
扁桃に白いぶつぶつができて、ものを飲み込むときもかなり痛いようです。
リンパが腫れる場合もあります。
ほかにも、腹痛や吐き気を訴えるケースがあるようです。
高熱やのどの痛みが初期症状としてあらわれ、扁桃腺が腫れたのち体の湿疹や舌の表面にぼつぼつがあらわれます。
大人でも溶連菌に感染する可能性有
大人が感染すると「そのうち治るだろう」と放置する人もいるかもしれませんが、侮ってはいけません。
全身倦怠感
発熱
のどの痛み
リンパの腫れ
メインの症状はあまり変わりありません。
しかし、放置すると急性腎炎やリウマチ熱、血管性紫斑病、中耳炎、気管支炎などの合併症を引き起こす可能性があります。
重症化するケースもあるため、しっかり治療しましょう。
溶連菌の感染経路について潜伏期間について
溶連菌の原因は「溶結性連鎖球菌」がのどに感染し、悪さをすることで起こります。
どうやって感染するのか
潜伏期間はどれくらいなのか
この2点について説明します。
感染経路について
感染経路とは「菌が悪さをするまでにどうやって体の中に侵入するのか、その方法のこと」を指します。
溶連菌の感染経路は主に飛沫感染と接触感染です。
飛沫感染とは唾液などが口の中に侵入することにより感染することです。
人が近くで話していたり、少し離れた場所でくしゃみをしたりすると口から唾液が出てきます。
それを少しでも体の中に侵入させてしまうと、感染し、発症してしまうかもしれないのです。
もうひとつは接触感染です。
接触感染は「感染した人が触ったものを自分が触り、その手で鼻や口に接触することで感染することです。
感染した人が触ったドアノブを自分が触り、そのまま鼻を触ったりすると菌が鼻から侵入する可能性があります。
潜伏期間はどれくらい?
潜伏期間は2~5日だと言われています。
溶連菌は保育園や学校の登園・出席停止の決まりはありませんが、高熱が出ている間は感染力が強いので登園や登校は控えた方が良いでしょう。
溶連菌の治療方法
溶連菌の治療方法は抗生剤の投与です。
メインで使うのはペニシリン系抗生物質です。
サワシリン
ワイドシリン
パセトシン
上記3剤が第一選択薬です。
サワシリンやワイドシリンなどのペニシリン系に対してアレルギー症状が出る場合はエリスロマイシンを服用することも。
こちらを10日間しっかり服用することで治ります。
ほかにも、セフェム系抗生物質を使う医師もいます。
メイアクトMS
フロモックス
セフェム系抗生物質は10日ではなく7日間の服用となります。
薬が嫌いな子どもであれば、10日よりは7日間服用の方が良いですよね。
抗生剤が薬局で品薄状態に!?
現在、抗生剤が全国的に不足しています。
理由としては、以下が挙げられます。
原料配達に関するトラブル
製造や品質に関するトラブル
行政処分による出荷停止
需要の増加
薬が品薄になっている理由は一つだけでなく、様々なことが重なってしまっているのです。
日頃からの予防が大切
当たり前のことになってしまいますが、溶連菌を予防するには
手洗いうがいをしっかり行うこと
感染している人と距離を置くこと
感染している人とタオルやコップを分けること
マスクをして感染予防すること
以上4つを心がけるだけでも感染の確率を抑えることができるでしょう。
まだまだ感染は広がっていますので、小さなお子様がいるおうちは特に気を付けるようにしてくださいね。