①オクターブと音名 現在の調性音楽は、オクターブ(octave)を12分割して構成されています。これを12平均律といいます。 オクターブ上とは、ある音の周波数比(Hz)が2倍の音であり、オクターブ下とはその音の½(半分)の音、ということです。 オクターブ下 220Hz←440Hz→880Hz オクターブ上 この3つの周波数はどれもAという音ですが、次のAまでの間を12個の音に分けます。つまり調性音楽には全部で12音しかありません。 それではまず、この中の7音の名
ブルースの音楽的特徴 1.ブルースとは ブルースは現代のポピュラー音楽にとって、ルーツとなる音楽の一つです。20世紀初頭、アメリカ南部の黒人社会から生まれたブルースは、既存の西洋音楽理論では説明できないユニークな特徴を持っています。 1.使われる3コードが全てドミナント7th 2.ブルーノートの使用 3.D→SD→Tのコード進行 というもので、ブルースが成立する以前にはまず見られなかったような音楽です。 まずブルースは12小節を基本とし、使用するコードは3つとい
アヴェイラブルノートスケー ル (aveilable note scale) ①コードに対応したスケール 1.テンション(tension)とアヴォイド(avoid) ここからは、スケールを掘り下げて解説していきたいと思います。 コード、和音とは3つ以上の音の塊ですから、そのコードが鳴っている場面ではそのコードの構成音を鳴らせばいい、これがアドリブやメロディラインの作曲における基本的な考えです。では、それ以外の音は使えないのかというと、もちろんそんなことはありません。
コード進行の王道パターン これまで紹介してきたコード理論のおさらいとして、よく使われる王道のコード進行をいくつか紹介していきます。keyはメジャー、マイナーともに全てCです。 1.メジャーの循環進行 まずは一番基本的なT→Do→Tという進行があります。 これをⅡⅤに分割したものがこの進行です。 ここではどのコードも完全5度の音を省略(omit)しています。5度はこれらのコード機能に影響を及ぼさないのと、鳴らす音が多すぎてサウンドが重くなってしまうため、省略されることが
セカンダリードミナント(secondary dominant) 1.V以外のドミナントコード トライトーンに起因するドミナントコードの緊張感が、1度のトニックコードに進行して解決するというのが、ドミナントモーションのもたらす終止感の理由でしたね。 このドミナントモーションの効果を、1度のT以外のダイアトニックコードにも応用することができます。 例えば CM7|FM7 という二つのコードを繰り返すとしましょう。 FM7というコードは、CメジャーkeyではⅣ度のSDとい
②マイナーダイアトニックコード (minor diatonic chord) 1.四和音(diatonic 6th chord/diatonic 7th chord) ここではマイナーのダイアトニックコードを見てみましょ う。 3種類のマイナーダイアトニックの三和音ですが、前にも述べたようにNmはメジャースケールと構成が全く同じです。 またHmとMmの三和音は使用頻度が少ないので、ここでは割愛し、四和音を見ていきます。 いかがでしょうか。とても多く感じられるかもしれ
⑤ⅡⅤ進行とその他の終止形 1.五度圏(circle of 5th) 五度進行をキーに関係なくそのまま続けていくと、一周してまた元の音に帰ってきます。これを視覚的に表したものがこの五度圏(circle of 5th)です。 ちょうど時計盤と同じ配置ですね。次の音に時計回りに進んでいくと、5度下行もしくは4度上行していき、最終的に出発した音に戻ってきます。 他にも対角線上にある音は、互いに増4度もしくは減5度の音になり、その両者を合わせてトライトーンになりますし、1つ飛
③調的機能(function) 1.主要和音(primary chord) ダイアトニック上に存在する7つのコードは、それぞれに固有の役割や性格があり、これを調的機能 (function)と呼びます。それがこの3つの機能です。 ・トニック(T)・・・最も安定した響きを持つコード ⇒C(Ⅰ) ・ドミナント(Do)・・・最も不安定な響きを持つコード ⇒G(Ⅴ) ・サブドミナント(SD)・・・トニックとドミナントの中間的なコード ⇒F(Ⅳ) 12という数
④和音の転回形とボイシング 1.基本形と転回形 和音は必ずルート音が最低音でなければならないという決まりはありません。その他のコードトーンを最低音に持って行った形もあります。 これも音程と同じく転回形(inversion)と呼びますが、和音の場合、どの構成音を一番下に持ってくるかで名称が変わります。 まずはこれまでみてきたようなルート音が一番下に来るものを基本形、そして3度の音をベースにした第一転回形(1st inversion)、5度の音をベースにした第二転回形(2