6/28 『FGOミステリー小説アンソロジー カルデアの事件簿 file.01』を読んだ
面白かった。
タイトル通り、ミステリー作家たちによってミステリー風味を増量させたFGOのアンソロジー小説集。作品によって、ゲームシステムをどの程度”現実”的な描写に落とし込んでいるかといった違いなどが楽しめた。特に、「Malice or Romance」で語られたAPの概念は、実はゲームよりも”現実”的なものとして扱われていたのではないかという気さえする。レイシフトや現実を精巧に模したシミュレーターとかって身体や脳にかかる負荷とかも大きそうだし、そこでAPという疑似的な数値を設定して、どこでどういう活動をしたらどれだけのポイントを消費し、尽きたらそれ以上の活動は危険、回復にはこれだけの時間がかかります……などとやっていると考えれば、なんかあり得なくもない。というかむしろゲームにおいてAPというシステムの方が不必要であるようにさえ思えてきた。シナリオ内で言及もされたりもしてないしな……ソシャゲあるあるのシステムでしかないし、廃止してもよいのでは? 無理? 家の基礎ぶっこ抜くようなものか?
他にも、「イシュタルとエレシュキガルの事件簿」では、ゲームシステムを推理に持ち込んであれこれ理屈を考える様が、半メタ小説というか将棋倒しというか、もしくはマリオメーカーで計算機作ってみた的な、ゲーム内で作り手が想定してない別のゲームを始めたような感じがして面白かった。