7/16 『芸人人語 旧統一教会・ジャニーズ・「ピカソ芸」大ひんしゅく編』を読んだ
前巻を読んで、第3弾で書かれるであろう内容は2巻のそれを超える大ひんしゅくについてだろうから楽しみだなーなんて不謹慎な期待をしていたら、実に見事に応えてくれていたようで、さしもの太田光もなかなか大変だった様子。いつものことかもしれないが。いやでも、ここ数年のことだよな、こんなにネットで批判を受けるようになったのって。
シリーズ3冊目ともなって相変わらず思うのは、まったくこの人はたとえどんな相手だろうとも、まずその人の気持ちになって考えてみる、ということをするのだろうな、という感嘆だ。時事の渦中の人物に対し、基本的には否定的・批判的な目線で大衆の視線というのは向けられるもの、時事とはまあそんなもんだと己の経験とも照らし合わせながらそう思うが、太田さんはまずは相手の立場に立って考えてみる、その上で自身の考えを述べるということをしっかりやる、やっているんだなってことが本書からは読み取れる。ほんと、テレビでの振る舞いの大部分からはなかなか見て取れないんだが。テレビを観て太田光をテレビに出すなと言っている人は、主義主張に同意しなくてもいいからちょっとこの文章を読んでみろよと言いたくなる。その上で、認めなくてもいいからテレビには出してあげてよと言いたくなる。テレビに出てないと暗いんだから。
取り扱っている時事は2022年9月から2024年4月までの出来事とあり、暗く重い話題が続き、そしてそれらのおよそ全てが今現在に至るまで解決を見ていない、地続きの問題であるゆえに、なかなかスカッとしない話ばかりなのだが、そんな中でもM-1でウエストランドが優勝した時のことなど、笑いに関するいくつかの話で心温まるものも多い。今巻も面白かった。
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