1/18 新田周右『モバイル・ソウル phase-1 覚醒:unveil』を読んだ

イラストだけ見るとなんだかペルソナっぽく、あんま知らんけど大丈夫かなと思っていたが、用語などはどことなく『マルドゥック』シリーズっぽく、「装身(アンベイル)」のかけ声と共に仮面を身に着けてして戦うところは『パンツァークラウン フェイセズ』ぽくもあり、誘われる。読んでみると舞台となる街の描写も丹念で、もっといろいろ見てみたくなった。
しかし主人公の安佑が、なかなか嫌われがちな性格をしており、読む側としても一人称視点で語られるのにちょっとすぐには好きになれなかったりした。が、そんなときには思考回路をめだかちゃん(『めだかボックス』)にして読めばいいのだと気づいた。「これほどひねくれた性格をしているとは、さぞ過去にひどく裏切られた経験があるに違いない」というような。そうしてみれば、己を支配しようとするものにはまず反抗し脱してからどうするか考えるという、野良猫のような主人公のキャラクターにも次第に愛着が見えてくる。
の一方でヒロインの好感度は最初から高かった。ひねくれた主人公に物怖じしない、拒絶された分だけ距離を詰められる突進力を持っており、良いバランス。なかなか懐かない主人公をオトせるキャラクターとしてぴったりであると思う。
お話やバトル能力に関しては、もひとつ盛り上がり切らなかったなとも思ったが、1巻でもうサブタイトルついてるし、2巻の予告も載っているし、これから尻上がり的に、あるいは末広がり的に、都市の拡張と共に面白さが上がっていくタイプであると期待する。

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