1/15 『異修羅 Ⅲ 絶息無声禍』を読んだ
アニメも始まったということで、しばらく停まっていた原作の方を再開させた。時間をおいたことで結構忘れてる部分もあるが、そこはアニメで補っていきたい。
それで言うと早速忘れていたのをアニメで思い出させられたことが、ユノがソウジロウに付き随ってる理由だった。半ば八つ当たりとか責任転嫁のような動機でいろいろ動いてるわけだけれど、しかしこの動機って、長続きするのかね。既にふらついてきてるような兆しもあるし。そのモチベを保持し続けるのは、どんな修練を積んで最強を目指すより、あるいは難しい気もする。
ともあれ全ての修羅が集結し、更には「本物の魔王」の姿も明らかになる。予想外すぎた。なんか、上遠野浩平愛読者としては月並みな表現になるが、イマジネーターみたいなやつだな……。剣と魔法と英雄と修羅が跋扈する世界においてなお、なんの理由も持たず、魔王とされる事実のみを持ってあらゆる存在を恐怖させる。いっそ実体なぞなければまだよかったが、それだけはあった……しかもなんかセーラー服黒髪ロング美少女の姿で。能力だか性質だかはとにかく問答無用なので、後は読者に納得させられる姿さえ用意できればいいというわけで、そうなるとセーラー服黒髪ロング美少女なら要件は十分に満たせるわけで、なるほど納得ですね。既に死んでいるという事実さえ絶望の一端でしかなく、倒せているのでもう倒すこともできない(そんなところがイマジネーター感)。こうなると「本物の勇者」はどんな意味を持つことになるのか、期待が高まる。
そして長い長い前提が完了し、試合が始まると一気にテンポよく話が進み、早速二試合が決着してしまった。テンポはいいがどちらも塩ることなく、互いのポテンシャルを十全に発揮して闘い合っていて良い。全てがそうなるとは限らないが、試合後の敗者にもまだ活躍の余地が残されているようだし、興行としては上々のスタートダッシュではないでしょうか。街の広場や郊外の土地一帯が大崩壊してはいるけども。
また、「本物の魔王」と合わせて「彼方」についても情報が追加されたのが興味深かったな。「彼方」とは要するにこちらの世界のことで、こちらの知識やパワーが異世界を蹂躙する、その一方向性がこの手のジャンルの快楽かと思ってたけど、どうも「彼方」も既にしっちゃかめっちゃかになっていて、「此方」はその次の標的だったっぽい、というのは意表を突かれた。確かに、言われてみれば柳生の末裔が戦車と戦う羽目になってる世界がまともな状態を保っているわけはなかったな。一体「彼方」はどうなっちまっているのか。楽しみにさせてくれるじゃないか。
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