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2024年8月の記事一覧

8/25 『この平坦な道を僕はまっすぐ歩けない』を読んだ

事件が起きないエッセイシリーズ3冊目、オビに「ついに事件が……!?」みたいな思わせぶりな文句が書いてあるからなるほど結婚のことを書いてるんだなと思ったら……書いてねえ! 畜生釣られた! まあ調べてみるとあの電撃結婚発表から2、3ヶ月後がもう連載の最終回だったし、もしかしたら既に最終回分まで原稿を提出していたのかもしれない。書く余地がなかったか。いやでも微妙だけど……書き下ろしがあったんだから書こうと思えば書けたのでは……とするとあえて書かなかったのか。あくまで事件が起きないシ

8/20 『機龍警察 自爆条項〔完全版〕 上 下』を読んだ

警察小説というジャンルにはまだ足を踏み入れたばかりで目下勉強中って感じで、せいぜいポリティカル・フィクションとは警察モノのこと(だけ)を言うのではないということがわかったぐらいだが、そんな不肖の身から感じ取れる本シリーズの警察モノとしての特色は、「なんかすっごいギスギスしてる」というものであった。今作でもそれは遺憾なく発揮されていて、相変わらず特捜部は警察内のあちこちから嫌われている。そんな特捜部内で更に距離を置かれている突入班の三人の部付警部。もうなんやねんこのヨソヨソムー

8/9 『悪い夏』を読んだ

購入したのは何年か前の冬、セルフお誕生日プレゼントとして近隣の書店を巡って目についたもの気になったもの予算の許す限り買いまくったうちの一つだったが、特に狙ったわけでもなくたまたま夏真っ盛りの時期に読むこととあいなった。奇しくも今年は馬鹿になっちゃいそうなくらいの酷暑、悪いというならこっちだって負けちゃいない。俺の夏とお前の夏、どっちがより悪い夏か……勝負だ! ……いや負けた負けた、悪っる……冒頭の十数ページだけでもうだいぶ精神衛生に悪い。何が悪いって、たとえば数日前、スーパー

8/7 『十一人の賊軍』を読んだ

たまたま並行して読んでいた『最強の毒』と、まあまあ時代が近い。あちらからおよそ40年後くらいで、すっかり幕末動乱の真っ只中にあるのだなあと考えると、また読み味も変わってきそう。 今秋公開される映画の小説版ということで、原作がある作品なんだけど、平民が棒きれで刀持つ侍を叩きのめしたりとか、登場人物たちが他の冲方作品のあのキャラこのキャラにどことなく通ずるところがあるような気がするのは、原作を冲方テイストで煮しめたということなのか、通ずるからこそ小説版が冲方丁に委ねられたのか。こ

8/1 『最強の毒 本草学者の事件帖』を読んだ

本作が発売されるちょっと前に、KADOKAWAがサーバー攻撃を受けて各種関連サイトが軒並みアクセス不能になり、新刊の刊行すらどうなることやら不明ってんで作者がSNSで天を仰いでたので、こりゃ大変そうだなと思って購入。結果的にはKADOKAWAの新刊はちゃんと発売日に書店に並んでいたわけだが、きっと見えないところですさまじき奮闘などがあったんだろう……今もまだ絶賛奮闘中か。 お話の舞台は江戸時代の町人文化寄りの世界で、江戸時代の小説というと最近じゃ『剣樹抄』を読んでいたけど、同