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新宿方丈記

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#エッセイ

新宿方丈記48・「大切なことは何?」

年が明けた。2021年。 大掃除が何も片付いていないのにお正月が来てしまった、そんな気分だ。…

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新宿方丈記・47「あの夏のAlone Again」

夕方、コンビニのレジに並んでいる時、聞き覚えのある切ないメロディを耳にした。でも一瞬思い…

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新宿方丈記・46「炊飯器がやって来た!」

上京して以来、およそ30年ずっとお世話になってきた炊飯器が壊れた。…というよりは、引退の潮…

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新宿方丈記・45「CHEWING GUM!」

若い頃はあんなに、毎日と言っていいほどライブハウスに通っていたのに、今では年に何本、とい…

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新宿方丈記・44「どこかで半分失くしたら」

久しぶりに美容師さんに髪を切ってもらいながら、耳が出るとピアスをしたくなりますねという話…

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新宿方丈記・43「湿った夜の花火」

仕事を終えてオフィスの外に出ると、パラパラと雨が降り始めた。傘を取りに戻ろうかとも思った…

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新宿方丈記・42「避雷針」

時々、思いも掛けない出来事に巻き込まれることがある。とばっちりとか災難と言ってもいいかもしれない。そんなつもりもなく言ったことが誤解を通り越してねじ曲がって伝わったり、などということは往々にして起こりうるかもしれないが、もっと厄介なことに、言ってもいないし関わってもいないことに、首を突っ込まされるようなことだって発生する。ただその場にいたから、同じチームだからというだけで、平等の責任を押し付けられる不平等さ。普段から大声で自分の正当性や不幸を訴える人はいつも決まっていて、自分

新宿方丈記・41「言葉を紡ぐことは」

しばらくの間、文章を書くことが嫌になってしまった。というのは正確じゃないな。自分で自由に…

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新宿方丈記・40「続いていくもの」

冬の朝、布団から出た瞬間の、火の気のない部屋の空気が苦手だ。だったらエアコンのタイマーを…

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新宿方丈記・39「ハイヒールという名の悪魔」

10代の頃、初めてハイヒール(というほどでもないほどほどのヒール)を履いて出掛けた日の帰り…

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新宿方丈記・38「冬の色」

季節外れの台風が通り過ぎ、街でコート姿の人を見かけることが多くなった。とはいえまだ、東京…

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新宿方丈記・37「爪を切る」

日曜の夜には、決まって爪を切る。短く切ることもあるし、ヤスリをかけて整えるだけのときもあ…

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新宿方丈記・35「暮らす」

私が住んでいる部屋はちょっと小高い場所にあって、家から出てどの方向に行くにも、緩やかに坂…

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新宿方丈記・34「抽斗の中」

正午近くに目を覚ました時、部屋の中は熱帯みたいに暑かった。寝ぼけ眼で踏み入れたバスルームは特に湿気が酷く、洗面台の前に立つだけで首筋に汗が流れる。九月も半ばを過ぎたというのに、初秋どころか夏がぶり返したみたいだった。この部屋は窓が大きくて陽当たりが良すぎるのだ。おかげで世の中の秋だ最低気温だ北のほうでは初霜だ、などという季節感とは若干のズレが生じる。それがそのまま、世間一般とズレた自分に合っているではないかと妙に納得して、この部屋を気に入っている理由の一つでもあるのだが。とり