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データと算数を強みにしていた私が、デザインに辿り着いた理由とは。ーープロダクトマネージャー・麻原さん

「このまま自分の強みを生かすだけでは、いつか頭打ちになってしまうのではないか。」

データ分析やエンジニアリングの経験を強みにプロダクトマネージャーとして働く麻原さん。
現状を打破するには、「強みを伸ばすだけではなく、今まで避けてきた領域に向き合うことで、成長の突破口が見つかるかもしれない。」と考え、行き着いたのが「デザイン」でした。
そんな麻原さんが目指すキャリアと、受講後の学びや変化についてインタビューしました。

麻原 彪史 / Takeshi Asahara
東京理科大学理工学部卒業後、2018年に株式会社D2Cへ新卒入社し4000万人以上のドコモユーザーデータの分析やシステム開発を経て、広告配信プロダクト責任者を経験。2022年にWED株式会社へ転職し、プロダクトマネージャーとしてtoCアプリの開発企画やプロダクト戦略立案などを行う。MoD一期生。

ーー麻原さんは、自ら避けてきた領域である「デザイン」に向き合い、学ぼうと考え他と思うのですが、その背景には何があったのでしょうか?

麻原:私には「『どうせ無理』を無くしたい」という人生のモットーがあります。高校生の頃にはこのモットーを実現するために、30歳までのロードマップを描いており、MoD受講に限らず、就職活動や転職などのキャリア選択もこの考えを軸としてきました。
しかし、このまま現在の延長線上で突き進むと頭打ちになる感覚がありました。今の自分の強みや経験に頼るだけではなく、もっと抽象的な物事を扱う力や、構造化する力、そしてそれらを最大効率で伝える力を身につける必要があると考え、辿り着いたのがデザインでした。BTCスキルのうち、ビジネスとテクノロジーだけではなく、クリエイティブも学ぶ必要があると思ったんです。

まずは自分なりにデザインを学習しようと、本を読んだり、美術館を巡ってみたり、自分が何を「良い」と思うのかを理解するべくチラシをコラージュしてみたり、デザイン系のイベントに行ったり、デザインツールを触ってみたり…。色々と取り組んでみたのですが、独学で体系的にデザインを理解することの難しさを感じていました。
そこで、プロから学ぶためにデザインスクールなどの情報を収集していたときに、ちょうどMoDの存在を職場のデザイナーから教えてもらいました。
信頼するデザイナーのおすすめということもありましたが、MoDは自分で手を動かしながら学べる環境であることを特に魅力に感じて申し込みました。

MoD代表の田中に最初に連絡したDM

書き言葉や音声言語ではない「視覚言語」を学ぶことで気がついた、新たなコミュニケーションの可能性

ーーMoDの講義を受けて、どのような変化がありましたか?

麻原:データと算数だけでは辿り着かないアイデアがあることを実感しました。受講前の仮説がハマった感覚があり、嬉しかったですね。
今までは、数値的な仮説検証を積み重ね、定量的な根拠をもとに意思決定を行ってきました。しかし、MoDを通じて定性的な感覚を大切にしながら、未来を描く力が必要だと気づきました。本業や副業でのサービス開発においても、定性的な視点を持ちながらバックキャスティングでロードマップを考えるようになりましたし、事業のグロースサイクルを設計する際も、あえて「余白」を残してチームで議論するようになりました。

また、「視覚言語」の重要性を学んだことも大きな変化でした。私は理系出身なので、言語化・定量化することで物事を整理し、意思決定してきました。しかし、MoDで視覚言語を学び、書き言葉や音声言語だけでは伝わらないことをビジュアライズして表現する力の大切さを実感しました。結果的にプロダクト開発において、デザイナーやエンジニア、ビジネスサイドなどあらゆる職種のメンバーとのコミュニケーションがスムーズになったと感じます。実際に、チームメンバーとの議論では、簡易的なUIや戦略をビジュアル化したものを使うことで、言葉だけでは伝えきれなかった考えやコンセプトを共有しやすくなりました。視覚情報を活用することで、アイデアがより具体化し、共通認識を持ちやすくなったんです。

これらの学びをより効率的に吸収できたのは、一番最初に行ったデッサンの授業が大きな影響を与えたからだと思います。デッサンの課題で、自分の顔を観察し描くことを通して、私は「毎日自分の顔を見ているのに、正しく見ることができていない」と気がつきました。実際に手を動かしてデッサンしたからこそ、これまで意識していなかった自分の視覚の偏りを実感できた瞬間でした。
自分の目が歪んでいることに気づけたからこそ、「ものの見方」そのものが歪んでいるかもしれない、さらには自分の「考え方」も偏っている可能性があるかもしれない、と考えるようになりました。最初にこの気づきがあったからこそ、その後の授業でも物事を正しく観察し、深く掘り下げて考える力を養うことができたと思います。

 視覚リテラシーで行った、音を視覚的に表現するワーク
出典:Richard & Judith Wilde, Visual Literacy–A Conceptual Approach to Graphic Problem Solving, Page 128

いきなり正解に辿り着くことはない。手を動かし、考え続けながら、愚直に理想に近づけていく。

ーー他に、MoDで印象的だったことはありますか?

麻原:課題に対して決まった正解がないなかで、個人個人に対するレビューがもらえる点が印象的でした。MoDでは、座学や課題図書で学んだ後に、自分で手を動かし、その後レビューをもらうという流れを何度も繰り返します。短期間で試行錯誤を繰り返すことで、デザインの考え方を体得できました。動画学習のみではレビューがもらえないので自分だけで試行錯誤しますが、レビューがあると学びの速度も質も段違いです。自分以外の受講生へのレビューも思考の仕方を学ぶ上でとても参考になりました。

また、本物のプロの仕事を間近で見られたことも貴重な経験でした。講師の方々は第一線のプロフェッショナルであり、その姿勢や技術から学べることは非常に多かったです。一流の方々の仕事を知ることで、それを基準に学び続けるマインドが培われました。

講師の方や他の生徒からレビューをもらいながら進めていったデザインスタジオのワークの様子。
レビューを参考に自分の取り組むプロジェクトの完成度を高めていきました。

ーー麻原さんは、MoDの講義外でも自主的に手を動かしていましたよね。なぜそこまで熱心に学び続けることができたのですか?

純粋に、ものづくりが大好きだからです。MoDの課題量は少なくありませんでしたが、どれも楽しく取り組んでいたので、気がつけば時間が過ぎていました。
また、「『どうせ無理』を無くしたい」という人生のモットーも関係していると思います。原体験は小学生の頃で、当時、デュエルマスターズのゲームで全国2位になったことです。カードゲームに勝つにはカードをたくさん購入できるかという資金力が必要ですが、そこに縛られずにどうやって勝つかを考え、結果を出したことがきっかけで、それから先の人生においても「どうせ無理」と思わずにどうにか勝てる方法を考えてきました。
もちろん、過去を振り返るとうまくいかなかったことも多くありましたが、そこで「どうせ無理だった」と自分が思ってしまうと周りの人にもそう思わせてしまうので、そうはなりたくないなと。天才ではないからこそ、戦略的に考えて動き、学んだことを蓄積して再現性を持たせることをとても大切にしています。

MoDでの学びも同じです。データと算数だけでは目指すところに辿りつかないと思ったので、そこでもう無理だと思わず、デザインという新しい武器を作りたいと思いMoDに飛び込みました。
とはいえ、いきなりデザインを理解し、使いこなせるようにはなりません。だからこそ、手を動かし続け、振り返り、蓄積していくことで成長できると考えて実践していました。
MoDでは、一足跳びに完成を目指すのではなく、手を動かしながら考え、改善し、時には寄り道しながらまた手を動かし…という一つ一つの積み重ねを経て少しずつ理想に近づいていくプロセスを取り入れていましたが、このプロセスが自分にとても合っていたと思います。

デザインを学んだ経験を活かして、良いプロダクトづくりをしたい

ーーMoDを経て、今後、挑戦していきたいことについて教えてください。

麻原:本当にやりたいことが多すぎて、寝ないで生きていきたいくらいなのですが…(笑)
まずは、仕事でプロダクトをつくっていくことをしっかりやっていきたいです。現職でのプロダクトづくりに信頼できる仲間と共に取り組んでいく過程で、デザインを学んだ経験を活かしていき、良いプロダクトを作りたいと思っています。

あとは、自分でもデザインをしたいなと思っています。仕事とは関係なく、趣味としてポスターを作ったりサービスを作ってみたり…図画工作の感覚で楽しみたいなと。娘と絵を描くことがよくあるのですが、そのときにこの構図は良いのでは?などと考えながら描くことが増え、今まで以上に絵を描く時間を楽しめています。デザインは生活を豊かにしてくれますね。

娘さんとの一枚

ーー最後に、どのような方にMoDをおすすめしたいですか?

麻原:来世でデザイナーを目指したいと思いつつ、今世で諦めきれず、足踏みをしている人におすすめします。
社会人数年目になると、今までのキャリアを捨ててデザインを学ぶことは勇気がいると思います。迷う人は、まずは第一歩としてMoDでデザインを学ぶことに挑戦してみると良いと思います。
講師と運営の皆さんの熱量が本当に高いので、想いを持った方にとっては本当におすすめできる環境です!

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