
やりたいことへの努力が、最大限報われやすくなる社会をつくる:OBOG体験記[5期生:中山さん]
①中山さんの現在取り組んでいることを教えてください!
プログラミングが好きで、大学1年生の頃からさわり始めて、現在はNFT(非代替性トークン)を発行する技術を使って、チケットの配布や同じ興味や関心を持った人たちとの出会いを生み出すサービスづくりをしています(こちらはVCさんにも入って頂いて、担当キャピタリストさんと話しながらネチネチ開発しています)。
また、ずっと柔道に打ち込んできた経験を活かして、沖縄と東京に小さなジムをOPENして、現在は100人ほどのお客さんに運動機能を整えるサポートを行っています。
一見、別々なことをしているように見えるかもしれませんが、その人の努力が最大限報われる社会を作りたいと思って、フィジカルとメンタルの両面からアプローチする事業に挑戦しています。

②普段はどんな学生生活を過ごしていますか?
北海道大学工学部情報エレクトロニクス学科4年生で現在は休学中です。2022年11月に柔道部を引退して、それまでは柔道漬けの毎日を送っていました。北大柔道部は『七帝柔道記』という小説や漫画になっているほど有名で、その柔道部に入部するために北大に進学した生粋の柔道バカです。

そんな私ですが、入学して程なくしたある日、突然倒れてしまい、そこから2年間、闘病生活を余儀なくされました。体重が数十キロ落ちたり、生きる意味を考えたり、副作用に苦しめられたり、病院で知り合った周りの仲間たちが亡くなっていったり、色々ありました。
発病から3年間、治療・復学・リハビリを経て、なんとか柔道部復帰に漕ぎ着けることができました。3年ぶりに畳に上がった日の喜びは、死ぬまで忘れないと思います。
・・・ただ、現実は甘くありませんでした。
身体が弱くなったため、思うように体が動かず、体調も崩しがちで、やむを得ず休部もしました。コロナで多くの試合が中止になり、憧れた大学柔道は勝つどころか、試合もろくに出られず引退の時がやってきました。
お世話になった部や先輩・後輩・指導陣、私を生かして下さった方々、何の恩も返せなかったことが、今でも思い出す度に心が辛くなります。ただ、それが原動力でもありました。

③mocteco中にチャレンジしたことを教えて下さい!
moctecoでは当初、柔道に恩を返したいという思いで、柔道界に貢献するプランを考えていました。
ただ、ずっと違和感を抱えたままプロジェクトを進めていて、2022年10月1回目のmocteco合宿の時に「やりたい」ではなく「義務感」からプロジェクトを進めていることに気付かされました。
そして11月。ずっと一緒に頑張ってきた柔道部の同期の引退試合を迎えた時、心からお互いを称え合うことができて「柔道への未練」を原動力にすることはそこで終えようと気持ちを昇華することができたんです。
自分の想いから余分なものが取り除かれて、本当に実現したいことを真ん中に置いた時、「努力が、最大限報われやすい社会をつくりたい」という気持ちが残りました。
努力の土俵にも立てなかった学生時代。
努力ができるだけでも尊い中で、その努力が最大限報われる社会になったらいい。
最初に取り組んだことがジムの経営でした。激しいエクササイズではなく、柔軟性や、自分の心と身体の繋がりを体感するような、パーソナルトレーニングを中心に据えたジムです。
心と身体の話をしていると、ちょうどお手伝いしていたジムの経営者から事業を手放したいと相談があり、その事業を譲り受けるカタチでジムをスタートしました。最初は無店舗でしたが、現在は、東京と沖縄に店舗を構えて100人以上の方に利用してもらっています。

また、ジムだけでは私が動ける範囲でしかサービスを届けられないため、学んできた技術をWEB3.0の世界観に社会実装させるプロダクトの開発にも着手しました。最初は「感情を検索する」試みから始まって、現在はNFTチケットを配布することで同じ想いを持った人たちとの出会いを生み出すサービスづくりをしています。
④moctecoには何を期待してエントリーしましたか?
今振り返ると、自分に向き合う時間を得られる時間でした。あれこれやりたいことが発散していて、自分の想いの深い部分を話せる人達と対話しながら、構想をカタチにしてみる実験場が欲しかったんだと思います。
3ヵ月で100円売ろうとは言っていますが、目の前の売り上げを負うことは一切なくて、人生スパンで何をしたいのか一緒に考えてくれる時間がありました。私がこれからどんなビジネスをするにしても、想いを言語化して、土台を固める時間だったと思います。その基盤さえしっかりしていれば、ビジネスモデルは後からついてくるものだと考えています。
⑤最後にフリーでメッセージをお願いします
現在は東京のシェアハウスに住みながら活動をしています。東京には資金調達やピッチコンテストに参加しているキラキラした学生も多くいますが、気持ちがないがしろにされた状態でビジネス世界に挑戦すると、目の前のお金やブームに振り回されて、辛い思いをしている人も多くいます。
結果、自分の幸せが後回しになったり、努力が最大化されない環境に身を置くことになるんじゃないかと感じています。
moctecoだけを推すわけではないですが、起業するしない、既にビジネスモデルができているかどうかに関わらず、moctecoの3ヵ月があるかないかで心の基盤が違うので、起業に興味のある学生はみんなやったらいいと思います。
これから至らぬことばかりでご迷惑をおかけすることもあるとは思いますが、是非見守っていただけると幸いです。よろしくお願いいたします!