エコすぎる海藻「e-Combu」で地球を救う:OBOG体験記(5期生:大砂さん)
mocteco5期生の大砂百恵(おおすなももえ)さんに、日々の活動や、mocteco2022での取り組みをお話し頂きました!
mocteco史上、1年間で最も変化のあったプロジェクトじゃないかな?と思います。行動量が圧倒的で、定期ミーティングの度に全国様々なところから接続してくれました。インタビューにはなんと、アメリカから答えて頂きました(汗)
①大砂さんの現在取り組んでいることを教えてください!
もったいない海藻を家畜の飼料に活用しようと挑戦しています!
私の曾祖父が昆布漁師をしていたこともあり、札幌から小樽の大学に通う汽車の中から打ち上げられた海藻を見て、もったいないなと感じたことがきっかけでした。
広尾町や積丹町の昆布漁師さんに直接お話を伺って、打ち上げられたもの以外にも廃棄される昆布が多くあること、天候の影響で今年は3日しか漁に出れてないことなど、昆布漁の問題も教えてもらいました。
また畜産農家さんからは、飼料の高騰や、牛のゲップに含まれる温室効果ガス、メタンガスの影響で牛そのものが悪者として扱われることがあるなどの課題を聞きました。
海藻から飼料をつくることができればそれらを解決できるんじゃないか?っとプロジェクトのカタチが見えて来ました。
②普段はどんな学生生活を過ごしていますか?
コロナの影響で対面の授業が少なく、小樽商科大学入学後はアルバイトと自動車学校と旅行をする半年間を過ごしました。
アルバイトは塾講師をしています。塾長と同じくらい働いて、貯めたお金で鎌倉などに旅行しました。
いつもあちこちに移動するので、「どこにいるかわからない」と良く言われます(笑)。
自動車学校も3か月くらいで卒業して、次は何に挑戦しようかと考えていた時にmocteco を先輩から紹介されてエントリーしました。
③mocteco中にチャレンジしたことを教えて下さい!
スタートした時は、まだ漠然と「もったいない昆布を減らしたい」「海藻を使って何かできないか?」「人が食べたり、牛が食べたりできないかな?」くらいに考えていました。
鎌倉に「海藻ポーク」というブランドがあることを聞いて会いに行ったり、海藻を25年研究している帯広畜産大学の宮下先生のところに話しを聞きに行ったりしていました。
まずは専門にやっている人たちの話を聞くのはめっちゃ大切で、徐々に海藻を加工して家畜の飼料にする事業に絞り込んでいきました。
加工した昆布の飼料は、牛のゲップに含まれるメタンガスを大幅に削減できたり、肉質の改善や疾病予防にも繋がることも見えてきて、最初は「メタンガスだけじゃ買えないかなー」と仰っていた酪農家さんから、「うちで実証実験しても良いよ!」「できたら買うよ!」と声を掛けて頂けるようになって来ました。
帯広畜産大学の宮下先生とも何度も議論を交わして、一緒に事業を取り組むことにもなり、現在は広尾町に6棟ハウスを借りて加工し、2023年4月から昆布飼料の製造を開始します。
2023年春~夏にかけて、うし農家さんの元で実証実験をスタートしメタンガスの抑制や肉質の改善におけるデータ取りを進めていきたいと思います。
一緒に取り組む仲間も見つかって、彼は内定を蹴って協働創業メンバーになりました。今は広尾町の地域おこし協力隊に入って、酪農ヘルパーをしながら、現地での事業化に向けて取り組んでいきます。
また学生ビジネスコンテストにも出て、金沢で開催されたM-BIPでは最優秀賞を、JAグループが主催するビジネスコンテスト’JUMP’では、優秀賞・JA全農賞・岡三証券グループ賞の3冠を頂くことができ、大きな自信に繋がりました。
2023年度は、私も休学することを決めたので、より事業化に向けてアクセルを踏みたいと思います。
④moctecoには何を期待してエントリーしましたか?
アイディアから何かをカタチにして実装するまでの流れを、試行錯誤をしながら学びたいと思ってエントリーしました。
失敗を恐れずに、行動して、DEMODAYまでにひとつ「やりきった!」と思えるように頑張りたいと思って取り組んでいました。
コーディネーターの神宮司さんは、事業やその他の相談も、私がやりたいことを全く否定せずに肯定してくれて、最後まで寄り添ってくれました(大樹町に行った時にはおうちにも泊めて頂いた汗ありがとうございます!)。皆さんとのやりとりや環境がとても温かかったです。
同期はライバルというよりは応援したい、尊敬したいと思える対象で、部活みたいな、みんなで頑張ろうと思える時間でした。
⑤将来的に取り組んでいきたいことは何でしょう?
私はいろんなものに興味があります。心がワクワクする方に進んでいくと、サステナブルやフードテック、宇宙だったり、アートだったり、もったいないだったり…ハッシュタグがたくさんある状態です。今は点と点のものも、今後繋がっていけばいいなと思っています。
⑥最後にメッセージをお願いします!
moctecoと同時にEzofrogsにも参加していて、実は今この記事はfrogsのプログラムでシリコンバレーで書いています。
自動車教室に通っていた去年の今と比べて、たった1年で環境が大きく変わりました。
最初の一歩目のハードルを軽い気持ちで越えたら、あとはただただ前に進んでいけばこんなふうに変わっていくこともあるんだなと楽しく思っています。
それと自分のやりたいことを実現するためには運が大事。運を最大化するには人との繋がりを大切にすることが大切だとこの1年で思いました。
様々な人を繋げてくださる方々に感謝の気持ちで一杯です。農業や漁業にもっと詳しくなって、北海道をもっと好きになって、何か北海道に還元できるようにこれからも頑張りたいと思います!