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あぁもう一度、住めたなら。

2023年1月。
数億光年ぶりに、大阪と宝塚を訪れた。
それは想像を遥かに超えて心ときめく体験で、今思い出しても泣き出したいような、叫び出したいような気持になる。
やはり関西、とりわけ大阪と宝塚は、わたしにとって本当に特別な場所なのだ。

言わずもがな、関西に惚れ込むきっかけとなったのは宝塚である。
幾度となく足を運び、ご贔屓との思い出もこれでもかと詰まった場所は、何度訪れてもずっと特別だ。
ほんのささいな瞬間や、何気ない光景までも、不思議なほどにありありと思い出せる。
(余談だが、大好きな宝塚歌劇からそっと距離を取ったあとに、所用で休演日に訪れたことがあるのだが、そのときの景色や言い表せない複雑な気持ちも忘れていない。)

加えて大阪。
わたしの人生で、胸を張って「青春時代」と言えるのは大阪で過ごした2年間だと思うのだ。
箸が転がってもおかしい年ごろはすっかり超えていたはずなのに、ビーズをばらまいても、アクセサリーを磨いていても、目当てのドレスを探していても、何をしても笑い転げていた毎日は、10年経っても愛おしすぎる記憶である。

望んで帰ってきた、大好きな北国。
けれども、いつも心の片隅で関西を大切に思ってきた。

離れてすぐは頻繁に訪れていたのに、こちらでの生活が充実し始めるとだんだんと足が遠のいた。
いつでも行けると思いながらもさまざまに理由をこしらえて関西へ足を運ばなくなり、パートナーと暮らすようになってからはますます疎遠に。
そうこうしていたら、妖精たちを量産するウイルスのおかげで本格的に行けなくなってしまった。

これではいかん。
大好きな関西に、大好きなパートナーを連れて行きたい。
わたしの影響で宝塚にはまって久しいパートナーに、どうしても一度、大劇場で公演を見せたい。
やりたいことはやらねばと、唐突に計画し、王道演目を選んで日取りを決定。
1月の中旬、花組公演の休演期間を見事かいくぐり、関西の地を踏むことができた。

10年ぶり(数億光年ぶり)の関西は、目に映る景色、耳に入る音、肌に当たる空気、すべてが懐かしい。
大好きな阪急電車、右側に立つエスカレーター、耳に入る関西弁。
見知った場所を通るたびに、当時の出来事や感情までもを思い出し、いちいちきゅんとする。

あぁ…もう一度住めたなら、こんなに素敵なことはないなぁ。
大阪の活気ある街も大好きだけれど、のんびりとした空気が漂う宝塚の街も大好き。
今度は宝塚に住んでみたい。
パートナーとふたりで犬を飼って、花のみちを散歩できたら最高だなぁ。

ときめきの止まらない不思議な土地、関西。
あの辺り一帯、どうにもこうにも大好きである。
妄想するのは自由だもの。
だいぶ雪どけのすすんだ外を眺めながら、花のみちの桜が満開になる様子を思い出している。

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