癌サバイバーとロシアンルーレット
癌は治る時代、共存できる時代とも言われています。
でも、こと乳ガンに関しては、知ると、なんか怖い病気だな…と思うようになりました。
なぜなら。
乳ガンは、他の癌より予後は良いし生存率も高い。
でも…。
「もう、再発も転移もしない、完治と言ってもいいよね。」
と安心できるまでの期間がとても長い。
これが乳ガンの落とし穴。
おばあちゃんになって、ようやく「あ、治ってたんだ」というくらい、晩年再発や転移がある病気。
いつ来るか分からない Xデー
私の場合、大体10年以内に再発して亡くなる方が10%~20%くらい。多くの人が老後を迎えることができるタイプです。
(乳ガンにはサブタイプといわれるものがあり、私の場合は、一番予後が良いタイプではなく、少しリスクのあるタイプでした)
そう、この20%に入ってしまうか、入らずに済むかは…。
神のみぞ知る領域
なんです。
つまり、いつ来るかどうかもわからない、Xデーに怯えながら、長い期間生きなければなりません。
まさにロシアンルーレット。
カチッと引き金を引いて、当たりを引けば、死への切符を渡され、何もなければ、まだ生きてて良い証明書を渡される。
一度で終わりではなく、毎日毎日引き金を引くような感覚です。
突然足元が崩れる感覚に襲われる
毎日怯えてるわけにもいかないから、普段はそのことを忘れて生活してます。
でも、たまに突然足元が崩れる感覚に教われます。
死にたくない。
転移してほしくない。
子供とまだ生きてたい。
痛みの中死ぬのはやだ。
とにかくグルグル頭に駆け巡る、死、という暗い影。
どこかが痛めば、転移なのかと怯えて、痛みがなくなるとホッとする、の繰り返し。
今日も生き抜いた、今日も生きている。
と、毎日がサバイバルなのです。
だからこそ前回のnoteで書いた
「人は(自分も)事故とかで、いつ死ぬか分からないしねぇ…」
という言葉を言われると。
例えば、戦争に行った家族を亡くしてしまった人に対して
「残念だったわね…でも、明日私も事故で死ぬかもしれない、人はいつ死ぬかわからないから…」
なんてトンチンカンなことを言われた気分になるのです。