曽野綾子　　架空のものなのに

職業上は

命令系統の

上とか下とかありますが、

それは

架空の能力です。

組織の中での

命令系統の上下は

組織の中で

上手く回すためのものに過ぎない。

それを人間の上下などと

勘違いする人がいるので

厄介なのだ。

その役職をやめれば

もう何もなくて

ただの人間に過ぎないのに。

自分が偉くなったと

勘違いのまま

その役が終わると

自分自身がなくなるように

感じるのだろう。

だから

できる限り

より良い人間になるように

学び続けることが

大切なのだ。

人間としては、

上も下もなく、

その道の経験のある人は

凄いな、偉いなあ、

と話を聞いていて

いつも思いますよ。

その道のプロという人は

自分で自分を鍛えてきた人だから

自らが

輝いているのだろう。

人と比べることもなく

自分自身が

自分を認め

自分自身が

発光している。

それが人間のプロ。

『日本財団９年半の日々』