曽野綾子 あとは野となれ、山となれ
あとは野となれ、山となれ
絶望的な、無責任な言葉のようであるが、
私は
むしろ
絢爛たる
自然のなりゆきに
頭を
下げさせられている人間を
連想する。
『あとは野となれ』
自分のできる限りを尽くして
頑張ってきたのであれば
その後にどうなろうが
それはそれで
見守るしかない。
やれるだけの事は
やったのだから
あとは
自然に任せるしかない。
力を尽くした後
その後は
自然に力に頼るしかない。
自然に任せるしかない。
神に委ねるしかない。
そして頭を下げているしかない。
自分の力では
どうにもならない
領域に入った際には
ただ祈るのみ
できることは
祈ること
まかせること。
自分ができることは
ほんとうに
少しだけ。
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