曽野綾子　「ささやかな人生」

私を含めてほとんどの人は、
「ささやかな人生」を生きる。
その凡庸さの
偉大な意味を見つけられるかどうかが
芸術であり、

人生を
成功させられるかどうかの
分かれ目なのだ。

『神さま、それをお望みですか』

凡庸な日常生活の積み重ねである
「ささやかな人生」。

その凡庸さの中にある
ささやかな人生の偉大な意味。

その偉大な意味を見つけることができるのかが
人生の中に芸術を見出せるかどうかというのだ。

ささやかないつもと変わらない生活ができるということの
ありがたみを
日常生活の中で感じることができるかどうか。

そして
その変わらない生活ができることが
どれほど偉大なことなのかを認識できるかどうか。

その認識こそが
芸術であり
人生を成功させるかどうかの
鍵となるというのだ。

よく見て
よく感じて
よく考え
そして何よりも
ポジティブにとらえる。

すると

すべての中に偉大な意味があり
すべてから学ぶことができる。

そうすると
ささやかな人生の中で
起こっているすべてのことは
すべて偉大な意味があり
それは芸術ともなる。

そのことに気がつくことで
人生は
豊かに成功した
と言える。